フィル・ジョーンズ、クリス・スモーリング、トム・クレヴァリー、ダビド・デ・ヘアら若き代表クラスがレギュラーポジションを担うようになり、遅れていた世代交代が進みつつあるマンチェスター・ユナイテッド。だが、それと同時に、その実力に限界が見え始めたプレーヤーの存在も目立つようになってきたことは否めない。
『bleacher report』のコラムニスト、リチャード・ベインズがまとめた「ユナイテッドでプレーすべきではない5人のプレーヤー」を彼の見解を交えて紹介しよう。
マイケル・キャリック
私からすると、彼はトッテナムやユナイテッドに移籍した直後に得ていた評判通りの活躍を全く見せられていないように感じる。
2006年に約1400万ポンドでレッドデヴィルズの一員となり、これまで168試合に出場し、14得点を記録しているが、彼は前線に厚みをもたらすわけでもなければ、守備面で十分な貢献しているとも言い難い。
もし、ユナイテッドが栄光の日々を取り戻したいのであれば、彼を中堅クラブに売り渡し、中盤にワールドクラスのタレントを補強するべきだ。
マイケル・オーウェン
彼がニューカッスルからやってきた際には多くの悪口が囁かれたが、やはり、失望感しか味わうことができなかった。
ユナイテッドでの成績は31試合に出場してわずかに5得点。FW陣での序列は、ウェイン・ルーニー、ダニー・ウェルベック、ディミタール・ベルバトフ、ハビエル・エルナンデスの下。つまり、最下位だ。
ここ6年ほど怪我に悩まされ、全盛期からは程遠いプレーぶりを見せる元イングランド代表に明日があるとは思えない。引退を考えてコーチの道を目指すか、かつてのチームメイトであるロビー・ファウラーのように小さなリーグに身を移すべきだろう。
ジョニー・エヴァンズ
北アイルランド代表にも名を連ねる彼もまた、ユナイテッドではその評判通りのパフォーマンスを披露できなかった一人。24歳を迎え、もはや「将来性があるタレント」というタグを付けることは難しいだろう。
ユナイテッドでの守備陣に転換期が訪れた頃、エヴァンズにはその価値を証明するチャンスがあったが、その絶好機を活かすことができなかった。エヴァンズはキャリックと同様に優れたパートナーを必要とせざるを得ないレベルにある。つまり、ネマニャ・ヴィディッチのようなソリッドなセンターバックとコンビを組まない限り、彼の安定感は欠落してしまうのだ。
その実力の限界は、自身もオウンゴールを喫し、3-3のドローで終わったチェルシー戦を見てもわかるはずだ。トップクラスの攻撃陣を跳ね返すだけの能力を備えているとはお世辞でも言い難い。
アンデルソン
アンデルソンの名前をこの5人の中に入れてしまうのは心苦しい限りだ。何故なら、その潜在能力には疑う余地がないからだ。だが、残念ながら、この5年間のプレーはその可能性と矛盾が生じてしまっている。
彼がポルトから加入した際には、そのサンバのリズムが感じられるフットボールセンスに希望を見出せたが、ユナイテッドで記録している83試合で4得点という成果は高評価を与えることはできない。
「アンデルソンはトッププレーヤーになれない」という結論に達するだけの理由はないが、少なくとも今のユナイテッドにとって、彼は必要なプレーヤーではないだろう。
リオ・ファーディナンド
ここ2、3シーズンでリオ・ファーディナンドのキャリアは急降下した。彼が代表、クラブの両チームで見せていたような相手に恐怖を与えられる存在感は消え失せ、フィジカル能力はシーズンをおうごとに低下してしまっている。
未だに「ファーディナンドは世界でもベストなディフェンダー」と称する声はあるが、それは、彼のここ数シーズンのプレーぶりよりも、これまでに彼が築き上げた名声を評価しているからだろう。
ここ最近のプレーで「ファーディナンドは素晴らしかった」と心の底から言えるプレーはあっただろうか?故障が増え、DF陣の競争率も落ち、彼が自動的にセンターバックのレギュラーに据えられてしまう状況は極めて危険だ。
フィル・ジョーンズやクリス・スモーリングは確実に育ってきている。もう彼らにその座を譲り、次の世代にバトンタッチする時期にきている。
(筆:Qoly編集部 T)