今年のチャンピオンズリーグのファイナルがPK戦で決着。常に悲劇を生んできた試合の決着方法について『bleacher report』が代案を10個挙げているのでご紹介しよう。
1.アタッカー・ディフェンダー・ゴールキーパー
耳慣れない言葉である「アタッカー・ディフェンダー・ゴールキーパー」。通称ADGと呼ばれるアイディアは2008年にティモシー・ファレルによって考案された。ADGは攻撃側5人と守備側6人(DF5人とGK1人)に分け、攻撃側がセンタースポットから相手の守備側に対して5回攻撃する。いずれの攻撃も30秒で終了するが、5回のチャレンジで何回点を奪う事ができたかを競うものだ。試合終了時にフィールドに残っていたプレーヤーで行う為、退場者がいるチームは一人少ない状況で戦わなければならないようだ。
2.シュートアウト
これはかつてMLSで行われていたペナルティー・シュートアウトだ。選手は35ヤード(約32メートル)の位置からスタートして一定の時間内にシュートを放つというもの。アイスホッケーのNHLで採用されているルールと似ている。なお、MLSでは1999年に廃止されている。
3.ゴールデンゴール方式
かつて国際大会で取り入れられていたゴールデンゴール方式。EURO96、EURO2000、1998年ワールドカップ、2002年ワールドカップで採用されていたので覚えている方も多いだろう。延長戦として15分づつは時間が用意されているが、ゴールが決まった瞬間に試合が終了するというルールである。最も有名な例としてはEURO2000の決勝戦だろう。フランスはEURO2000のファイナルにおいてダヴィド・トレゼゲのゴールデンゴールで優勝を決めている。
また、シルバーゴール方式はゴールデンゴール方式の変形ルールだ。延長前半でいずれかのチームがリードすれば試合が終了するというものである。この例としてはEURO2004年にギリシャがチェコをセミファイナルで倒した試合が有名である。
これらのシステムのネガティブな面としては、点を奪われると負けが近づく為守備的になりPK戦を待つ傾向にある、という事である。
4.選手の数を減らしましょう
これは 『bleacher report』による革新的なアイディアである。延長にはいると5分毎に両チームが選手を一人づつ減らしていくというルールだ。つまり6人減ってしまうため、最後には5人で試合をすることになる。このルールが適用された場合、少ない人数で広いピッチを使う事となり、チャンスも広がり、簡単なミスで試合が決まってしまう事が予想される。
5.ネバー・エンディング・エキストラ・タイム
直訳すれば「終わらない延長戦」である。試合が決まるまで延長戦を続けるというアイディアである。確かにこのルールならばどちらかがいつか点を奪うだろう。だが、選手たちの負傷のリスクは高まる上、テレビ放映のスケジュールとマッチしない。また、大きな大会の決勝戦が日をまたぐ事になったり、「直前の試合を8時間戦いました」などというシナリオを生み出す可能性がある。ちょっと現実的ではないかもしれない。
6.スタッツを数える
試合終了後に出てくる「スタッツ」。これで勝敗を決めようというアイディアである。
・どちらが何本CKを取ったか?
・どちらのショット・オン・ターゲットが上か?
・ポゼッションは?
・イエローカード/レッドカードの数は?
などで試合を決するというアイディアである。
7.ルージュ
1862年のシェフィールドのルールを引っ張りだしてきたようだ。このルールは「追加ゴールエリア」を双方に設けるというルールだ。ゴールポストの外側にフラッグを立て、ポストとフラッグの間を通過したボールもゴールと認めるというものである。1862年当時はテレビ中継などはなかった為、審判のジャッジでゴールを通過したかどうかを判断できたと思われるが、現在の中継技術を考えると「通過した、しない」で問題となるのは明らかであろう。
8.コイントス
まさかのアイディアが登場した(笑)。コイントスで試合を決めるという。完全に運任せのこのアイディア。選手たちから受け入れられることはないだろう。
9.フリーキック・シュートアウト
FIFAのブラッター会長は先日のCLファイナルを見て「悲劇」と表現しているが、12ヤードの空間よりも25ヤードならばもっとミスをするから「悲劇」にはならない、というアイディアである。もしこのアイディアが採用されれば、選手たちは練習において今まで以上にFKを練習する事になるだろう。つまり、今まで以上にFKの精度が上がっていく事が予想され、結局はPK同様にミスによる「悲劇」が繰り返されると『bleacher report』では述べている。それほどまでにFKの精度が上がるかは未知数だと思うが・・・。
10.審判団が決める
これも「まさか」のアイディアである。延長戦が終わったら審判団が決めるというアイディアだ。それが採点方式なのか協議方式なのかはわからないが、とてつもなく思い責任を審判たちは負う事になる。ちょっとばかげたアイディアだが、実際に導入されたらどんな事が起きるのだろうか。
以上が、『bleacher report』による10の提案だ。「とても導入できないよ!」という案から「アリかも」と思う案まで多岐にわたっているが、皆さんの好みはこの中にあっただろうか。
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