開幕3試合を終えたイングランド・プレミアリーグでファン・ペルシと同じく4ゴールでゴールランキング首位を走るスウォンジーのスペイン人MFミチュ。
一昨シーズン、セルタ在籍時には1部昇格を懸けたプレーオフで痛恨のPK失敗もあったミチュだが、その後移籍したラージョではシーズン15得点を決めるなど一気にブレイクを果たした。
そして、今季加入したスウォンジーでも再びブレイクし、いままさに旬ともいえる26歳の長身MFがスペイン紙『El Pais』に応えたインタビューをご紹介。
ー(スウォンジーの新監督ミケール・)ラウドルップはあなたを連れてくるため、電話でどんなことを話しました?
「彼は僕との契約に興味を示して、世界最高のリーグでプレーする機会に加え、いい契約内容も提示してくれた」
「彼は強硬に迫りはしなかったよ。だって、僕はずっとプレミアのフットボールが好きだったし、僕自身のためになることでもあったからね」
「ファンタスティックだったね。なにせ彼は本物のクラッキで僕のアイドルだったから。それに、ボールプレーを主とする彼のコーチ哲学にも説得させられた」
ークライフのようなロンドもやる?
「あぁ、ロンドに入った彼は段違いにうまい。彼がボールを触ることが好きなのは明らかだね。でも、口うるさい人間じゃないよ。選手に自由を与えてくれるし、ちゃんと評価もしてくれる。個人的には昨シーズンのようなプレーをしてくれればいいと言われたよ」
ーその通りになっているようだけど・・・
「うん、3試合で4得点を決めてゴールランキングのトップに立ってる。ここで自分の特徴がより発揮できることが本当に嬉しいんだ。ペナルティエリアなど飛び込むスペースが多くあるし、チャンスも多くある」
「それに、長くボールを持つサッカーは好きじゃないんだ。多くてツータッチ。走る、攻撃する、すざまじいペースで・・・」
ースタンドのサポーターたちに敬愛されていることには気づいてる?
「いや。(でも)彼らが見つめるピッチ上で全てを出し尽くそうと思っている。いい時も悪い時もあるだろうけど、とにかく全力を出し切らないでピッチを後にすることはないよ」
「それから、彼らはずっと歌い続けているんだ。でも何よりも感銘を受けたのは試合が始まる5分前も、試合が終わる5分前もスタンドが満員なこと。これにはベストなパフォーマンスを出そうって気持ちを奮い立たされるよ」
ースウォンジーの人々にとってフットボールは大きな存在?
「イギリス全土でそうじゃないかな。僕らのサポーターはかなり熱狂的で第1節(アウェーでのQPR戦)には2,000人も駆けつけたんだ。僕の出身地オビエドや、セルタ、ラージョでは大きな娯楽だった。ここでは明らかにそれ以上だね。いっつもスタジアムは満員で(ファンは)収容人数を2万人から3万人へ拡大することを欲しているんだ」
(※スウォンジーのホーム、『リバティ・スタジアム』の収容人数は20,750人)
ーそんな、イングランドではボールよりも多く蹴りをもらっているのでは?
「イングランドのフットボールはよりフィジカルで、ここではどんなリーグでも試合が終わる頃には足には打撲ができてるよ。それは名誉なものでもある。ここでは鉄のような強さが認められ、ごまかしは許されないし、相手から罵倒される。でも、投げ出したりはしないよ。もし不満を口にすることがあっても、それは痛いからさ」
ーそれから、あなたをからかう同僚にもちょっと不満が?
「いや、それよりも(プレシーズンに滞在した)デンバーでは夕食後、イスの上に立って歌わなくちゃならなかったんだ・・・」
ー選んだ曲は?
「英語でもうまく歌える『Stand by Me』。皆はいつもジョークをやったり、家族みたいな感じさ」
ーイギリス人は一般的な言われているような階層的ではない?
「敬意が生まれるまで時間がかかる人もいるよ。でも、ここは小さいクラブだ。それと、独自のルールがあって、それに従わなかった場合は罰金なんだ。全員で夕食をともにするとかね。僕も一度トレーニングのために遅れたことがあった」
ー何があったんですか?
「トレーニング前にたまにサッカーテニスをやるんだ。2対2でね。それに熱中してたんだ」
ーラウドルップのトレーニングを2倍にしなきゃ足りない?
「どんなことでも楽しんでしまうんだよ」