HOME > コラム > 「クラブ、選手の呼称問題を考える」 「クラブ、選手の呼称問題を考える」 2012/10/13 22:03 Text by db7 親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。 https://twitter.com/db7seven 記事一覧 「クラブ、選手の呼称問題を考える」 誰が得をするのだろう。 最後に使おうと思っていたのだが、せっかくなので冒頭にいきなり出してから始めたいと思う。 なんのことかというのは、タイトルをお読みいただいて察しのいい方ならば、なんとなくおわかりのことかと思う。というかまんまなので。 とは言えなんのことかさっぱり、という方はこれからしばしの間お付き合い頂きたい。 【過去の例】 日本人にとってもっとも親しみのある名前から例に上げることにしよう。 「Zico」 日本人、日本であれば、当たり前だが「ジーコ」と発音し、表記される。 本当に? まず、「Zico」の「Zi」は「ジ」と発音していいものなのだろうか?長年通訳をされていた鈴木國弘氏に聞いたことがあるのだが、「ジーコ」ではなく「ズィーコ」と発音したほうが正しい発音に近い、とのこと。鈴木氏はもちろん日本語のように「ジーコ」と平坦な発音はしない。 ただし、これに関しては、日本におけるローマ字導入時点での問題などもあって、致し方ない部分もある。とは言え、最近は現地読みを推奨することが多いので、皆さん慣れ親しんだ「ジーコ」からの脱却を図ってみてもいいのではないかと思ったりもする。 記事を書く方からすると、ローマ字入力におけるカタカナ変換は非常に面倒になるのだが・・・とはいえ、ローマ字にもいろいろあって、ヘボン式だとかポルトガル式だとか99式だとか色々あるわけです。日本人でも、例えば「遠藤」という選手がいたとして、それが「ENDO」なのか「ENDOH」なのか「ENDOU」なのかって問題もあるわけですよ。実際どうなってるかはみなさんご存知でしょうが。私事で言えば、この件で、申し込んだクレジットカードの名前に、申請してもいない「H」が入ってた時はさすがにキレそうになりましたが、いい歳になるのでパスポート表記と違ってもまあ、どうにでもなるだろ、と心を鎮めたことがあります。 そんなこんなで、日本において外国語は様々なカタカナ、発音的性質をあまり持たない姿に変わって我々の前に姿を表す。ローマ字読みの限界は発音にあるでしょう。そもそも異言語間において、文字も違えば発音も違う。これらを無理やり自分たちの言語に当てはめれば、発音できない言葉が出てくるのも必然だあるわけです。 「Michael」も「マイケル」なのか「ミハエル」なのか「ミカエル」なのかaが抜けて「ミチェル」なのか。言語、文化間で呼び方は異なる。それぞれがそれぞれで正しく、何も間違いではない。しかし、時にある言葉の読み方が、ある言語・文化において、全く別の意味を持つ言葉になる場合も出てくる・・・ 【カカー】 「Kaká」という名前が一番わかり易いだろうか。発音が非常に近い「Cacca」という単語はよろしくない意味。(ご存じない方はGoogle大先生におたずねください)そのために二番目の「ka」にはアクセント記号がついている。発音が非常に近いこの言葉をカタカナ表記にすれば単純に「カカ」となるが、カタカナ読みでは最初にイントネーションを置くことが多いので、「カカー」と長音をつけたほうが後ろにアクセントがきて好ましい発音になる。 非常に有名なこのお話を知らないかたは「Cacca」の意味を検索していただければよろしい。そうするとイタリア人からしたら「デーモン小暮閣下」は非常に大変な呼びかたになってしまうのだろうなという推測はさておき。 【ユナイテッド】 こうした事例は尽きることなく、他にも地名などでよく見かけるだろう。同じ日本語の中でもなんでこんな地名なんだろう、というのはよくある話しで、学生時代には地理や歴史の時間にやたらと面白がってたような記憶が甦りそうな気がする。◯◯マンガ島とか。ネタを上げればキリがない。 さて、なんでまたこんな問題に私が首を突っ込んでコラムにしているかと言いますと、Manchester Unitedがその例に当てはまっちゃっているわけでして、一部で色々と議論が起こっているからであります。予めお断り&アリバイ作っておくと、私は英語がさほど得意なわけでもなく、言語学の専門家でもない上に、現地在住でもないってことを先に述べておきます。ただし、ある程度の大まかな訳からは逸れてはいないはずなので、英文を読み取った上で取り上げようと思った次第でございます。 先にざっくりとまとめれば、Manchester Unitedを「マンU」と表記するのは好ましくない。ってことが言いたいわけです。 「Manchester United」→「ManU」→「マンU」となったのか、「マンチェスター・ユナイテッド」→「マンU」となったのかは定かではありませんが、問題は「ManU」という表記にあります。原文でお読みいただければいいと思うので、「ManU Manure」とGoogle大教授にお尋ねしていただければ大方行き当たると思います。読むのがめんどくさいという方にさらにざっくりとまとめますと、「ManU」という表記が好ましくないのは「Manure」というよろしくない意味を持つ単語に近くなってしまい、それが過去にネタにされたことがある、ということ、があるからなんですね。英国ならではの強烈なチャントは多数あるので、そのひとつ、という見方もあるのですが、ネガティブな意味がある以上、Manchester Unitedを「ManU」と略して「マンU」と日本語で表記・呼ぶことは、先に上げたカカーの例を考えてもあまりよろしいことではないということが、なんとなくでもおわかりいただけたでしょうか。 ちなみに、ネタにされた時期が時期でして、先日私も観に行った「ミュンヘンの悲劇」という映画の紹介に「マンU」と言う言葉が使われているときは笑えないギャグかますもんだなと思いました。 もちろん、強烈な敵対意識を持つ上でそれを使うのであれば意図がはっきりしている以上、やむを得ないところもあるでしょう。(マージーサイドの赤いところのサポーターとか水色のところのサポーターとか)しかしながら、知らずに意図せずに「マンU」を使っていたとしたら、たとえ知らなくてもManchester Unitedを馬鹿にしていることになります。ましてや、Manchester Unitedが好きだ、とか、香川が移籍して興味がある、とかルーニーすごいよね、とか言っても「マンU」という一言で台無しになっているわけです。 最大の問題と思われているのは、知らないどころか、日本のメディアによって「マンU」という表記が当たり前のように使われ、また香川の移籍によって、更に拡大して目にする機会が増えている、ということです。これでは意図なくとも多くの人が「マンU」と呼んでしまうことはやむを得ない気がしてしまいます。 【日本における略す】 マスコミやメディアに完全な非があるとは言い切れない部分もあります。日本語というか、日本文化においては、「混ぜて略す」ということを避けて通れません。「サボる」「チョベリバ」「ググる」などなど、日常に使っている・使ってきた言葉にはかなり略した言葉があります。皆さんもよくお使いになるのではないでしょうか。ああ、もっといい例がありました。といいますかこれはもうひとつの単語ですからちょっと違うのかもしれませんが「AKB48」も例にあげられるでしょうかね。もちろん英語にだって「LOL」や「U」、「4」といった略はよく見られますし、140字という制限のあるTwitterなどでは尚更よく見られます。要は意味が通じれば略したほうが楽なわけです。 日本でサッカーをやっていればほとんどの人が「マンU」と言われて、「Manchester United」を思い浮かべるでしょう。そこに「City」は出てこないはずです。記事のタイトルにカタカナで「マンチェスター・ユナイテッド」と入っていてもタイトルが長くなってしまいます。皆さんよく目にするであろうYahoo!のトップページでは、クラブ名だけで記事のタイトルになりません。そういった背景や以前からと使われてきたこともあって、何も問題無いように専門誌でも「マンU」という表記は使われてきました。 しかし、このインターネットが発達したこの時代において、「マンU」という表記から来る発音が、ネガティブな意味を持つことがわかりました。香川が移籍したことで、マンチェスターを訪れる日本人もかなり増えているでしょう。オールド・トラッフォードにて香川のネームがプリントされた赤いユニフォームを着て、大声で「マンU」と叫ぶ。ここまでこの長々としたコラムを読んでいただければ、どんな姿が想像できるでしょうか。 【メディアの責任とは】 記者にとって文字数という制限がある以上、意味が通じるなら極力無駄な文字数は使いたくないのは理解できます。Yahoo!トップの件もそうです。この略した時の呼称が、ネガティブな意味をもっていることを知った上で、慣例上やむを得ず使っている記者、知らずに使っている記者、両方いることもわかっています。 ただし、やはり、Manchester Unitedを愛する一人としては、あまりネガティブな呼称が定着・拡散しすぎるのは、いかがなものかと思ったりもするわけです。もちろん毎度毎度襟を正すことは神経質すぎるのかもしれません。 しかし、「マンU=ManU」と呼ばれることで、非常に強い不快感を持つ人が多数いることも事実なのです。一番悲しいのは、自称サポーターと言いながら意図なく「マンU」と呼んでしまっている人ではないかと思います。増える文字数と格闘しつつも、メディアに関わる方々(特に専門誌)には再考をお願いしたいものです。 現状としては、先日アメリカで上場した際には「MANU」というティッカーコードが使われていたり、選手も知ってか知らずか「ManU」と呼んででいたりもします。こういった現状もあってか、このコラム、私の私見が100%正しいとは限りません。もちろん現地から取材してお届けしているわけでもないので、100%現地の現状がこうだ、と断定することも出来ません。もしかすると、今や過去の出来事として、今では問題なく使われている可能性もあります。 【現地読み、英語読み。カタカナで表せない発音】 もう一度別の選手の名前でみてみましょう。 現地読みに近いカタカナ表記をしようという動きは以前から見られるが、国際的にはやはり英語読みが優先されるので、なかなか徹底しにくい現状もある。最初の「Zico」にしてもそうだが、特にオランダ人選手の名前は厄介。「Overmars」なんてのはいい例ですね。 本田圭佑や吉田麻也などのおかげで「VVV」を「ブイブイブイ」とはお読みにならないと思いますが、オランダ語で考えれば「V」に濁音はつきません。一般的には「オーフェルマルス」とか「オフェルマルス」と呼ぶ方が多いと思います。英語読みにすれば「オーヴァーマース」とも読めます。もっとも彼の場合、イングランドでもスペインでもプレーしてますんで、何が正しい読み方なのかって定義をすること自体が無駄な気もしますが。 省エネのために後はカタカナで上げていきますと、「クライファート」とか「クライフェルト」とか、「スールシャール」とか「ソルスキア」とか「ソーシャー」とか「アンリ」?「ヘンリー」?「シャビ」?「チャビ」?「ロナウド」?「ホナウド」?「クリスティアーノ」?「クリスチャーノ」?「ウチダ」?「ウシダ」?すいません。「ディ・マッテオ」?「三遊亭好楽」?もはや関係ありません。 ちなみに同じ英語を母語としていてもアメリカとイギリスではやはり違いまして(というか英国国内でも訛ってて別の言語に聞こえたりもしますがヘアドライヤー)、ネタか否かはさておき、アメリカの大スターに「ベッケンハムさん」なんて呼ばれたとか呼ばれないとかっていう噂もインターネットでよく目にします。 皆さん、いろいろな雑誌やゲームに触れた時に、同じ選手でも呼び方が違うな、という経験があるかと思います。雑誌や記者によっては「ビジャ」だったり「ヴィジャ」だったり。とはいっても、たいていの日本にお住まいの方々でサッカーゲームをやると言う方は、フジテレビとコナミによるジョン・カビラ式発音が脳内にこびりついていると思われますのでカタカナ表記が違っても問題はないと思われます。 個人的には一度90分フルでレニー・ハートさんにラテン語圏の実況をやってくんねえかな、と思ってたりもします。 レニー・ハートをご存じない方はまたもGoogle大先生にお世話になってください。 【これからの課題】 話が大分それました。 そのままの名前は変えられない以上、略す際に、単純に一つルールを作るとすれば、最低限失礼に当たらない呼び方かどうか、ということを調べてから使う必要があると思います。小学校でも幼稚園でも習ったことがあるかと思いますが、相手の(この問題の場合は目に見えないことが多いのですが)嫌がることはしない、ということではないでしょうか。今の世の中インターネットで簡単に調べられる時代です。もちろん暗黙の了解があったり、現地にいないとわからないことも多々あると思います。 しかし最初というのはそれだけ重要で、一度定着してしまうと、変えることに多大なエネルギーが必要となります。ただ、これを日本のメディアが完全に揃えることは困難でしょうし、呼称を統一しなくてもいいと思います。だって大体わかりますから。英語専門で訳してる方や、ラテン語圏訳している方、フランス語etc…とそれぞれの立場で発音違いますからね。たまに南米の選手で、有名になった際に、昔と読み方ちげーじゃねえか、という選手が数名いるのもいい思い出です。 ちょっと戻って、予め断っておけば上記のようなことを私が完璧にこなせてはいません。意図を持って略して用いている言葉を使うことがなくはないからです。ネットスラングは今や当たり前のように使われているこの時代、私もその一員であるので、これを使わないということはないでしょう。「w」なんてのはいい例ですね。私もTwitter上にて「植」「うどん」などといった言葉は多用してますし、これが本人に失礼に当たらないかは断言できません。もちろん、本人が強い不快感を示すことが分かれば即時使わないことにしますが、この何が正しいのかわからない多様化の社会、とりわけインターネット上においては難しい問題であります。言い訳です、はい。 「師匠」「QBK」「茸」もどうなんでしょうかね。 ちなみに日本語もというか漢字も「音読」する際には相当面倒くさい言語です。まず訓か音かわかりません。慣れてくればさすがに「中村」を「ちゅうそん」とは読まないと思いますが、未だに「けんごう」と呼ぶ人はたまにいたりいなかったり。 難しい問題を取り上げたな、と思いつつ、こういった問題があるよ、ってことをとりあえず知っていただければ、この長々としたまとまりのないだらだらとしたコラムを書いた意味があると自己満足できると思います。知ってて使うか、知らずに使うかでは、同じ使うでも全く意味が異なりますので。 実のところ、カタカナ廃止にして全部ラテンアルファベットで表記しちまえばいいんじゃねえか、という暴論も考えたりしたこともあります。 そんなこんなで締めもうまくいきそうに無いくらいだらだらと突っ込みどころ満載のコラムを書いてしまいました。乱文、言葉遣いの統一性の無さ、特に後半の砕けっぷりはご容赦ください。 ちなみに「植」とか「うどん」などの意味がわかった人、多分私のフォロワーさんである確率はまあまあ高いと思われますがいかがでしょう。 筆者名 db7 プロフィール 親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。 ホームページ http://blogs.yahoo.co.jp/db7crf430mu ツイッター @db7crsh01 Facebook {module [170]} {module [171]} {module [190]} 【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名 ラッシュフォードの私服がやばい RELATED TAGS コラム (871) db7 (70)
「クラブ、選手の呼称問題を考える」 誰が得をするのだろう。 最後に使おうと思っていたのだが、せっかくなので冒頭にいきなり出してから始めたいと思う。 なんのことかというのは、タイトルをお読みいただいて察しのいい方ならば、なんとなくおわかりのことかと思う。というかまんまなので。 とは言えなんのことかさっぱり、という方はこれからしばしの間お付き合い頂きたい。 【過去の例】 日本人にとってもっとも親しみのある名前から例に上げることにしよう。 「Zico」 日本人、日本であれば、当たり前だが「ジーコ」と発音し、表記される。 本当に? まず、「Zico」の「Zi」は「ジ」と発音していいものなのだろうか?長年通訳をされていた鈴木國弘氏に聞いたことがあるのだが、「ジーコ」ではなく「ズィーコ」と発音したほうが正しい発音に近い、とのこと。鈴木氏はもちろん日本語のように「ジーコ」と平坦な発音はしない。 ただし、これに関しては、日本におけるローマ字導入時点での問題などもあって、致し方ない部分もある。とは言え、最近は現地読みを推奨することが多いので、皆さん慣れ親しんだ「ジーコ」からの脱却を図ってみてもいいのではないかと思ったりもする。 記事を書く方からすると、ローマ字入力におけるカタカナ変換は非常に面倒になるのだが・・・とはいえ、ローマ字にもいろいろあって、ヘボン式だとかポルトガル式だとか99式だとか色々あるわけです。日本人でも、例えば「遠藤」という選手がいたとして、それが「ENDO」なのか「ENDOH」なのか「ENDOU」なのかって問題もあるわけですよ。実際どうなってるかはみなさんご存知でしょうが。私事で言えば、この件で、申し込んだクレジットカードの名前に、申請してもいない「H」が入ってた時はさすがにキレそうになりましたが、いい歳になるのでパスポート表記と違ってもまあ、どうにでもなるだろ、と心を鎮めたことがあります。 そんなこんなで、日本において外国語は様々なカタカナ、発音的性質をあまり持たない姿に変わって我々の前に姿を表す。ローマ字読みの限界は発音にあるでしょう。そもそも異言語間において、文字も違えば発音も違う。これらを無理やり自分たちの言語に当てはめれば、発音できない言葉が出てくるのも必然だあるわけです。 「Michael」も「マイケル」なのか「ミハエル」なのか「ミカエル」なのかaが抜けて「ミチェル」なのか。言語、文化間で呼び方は異なる。それぞれがそれぞれで正しく、何も間違いではない。しかし、時にある言葉の読み方が、ある言語・文化において、全く別の意味を持つ言葉になる場合も出てくる・・・ 【カカー】 「Kaká」という名前が一番わかり易いだろうか。発音が非常に近い「Cacca」という単語はよろしくない意味。(ご存じない方はGoogle大先生におたずねください)そのために二番目の「ka」にはアクセント記号がついている。発音が非常に近いこの言葉をカタカナ表記にすれば単純に「カカ」となるが、カタカナ読みでは最初にイントネーションを置くことが多いので、「カカー」と長音をつけたほうが後ろにアクセントがきて好ましい発音になる。 非常に有名なこのお話を知らないかたは「Cacca」の意味を検索していただければよろしい。そうするとイタリア人からしたら「デーモン小暮閣下」は非常に大変な呼びかたになってしまうのだろうなという推測はさておき。 【ユナイテッド】 こうした事例は尽きることなく、他にも地名などでよく見かけるだろう。同じ日本語の中でもなんでこんな地名なんだろう、というのはよくある話しで、学生時代には地理や歴史の時間にやたらと面白がってたような記憶が甦りそうな気がする。◯◯マンガ島とか。ネタを上げればキリがない。 さて、なんでまたこんな問題に私が首を突っ込んでコラムにしているかと言いますと、Manchester Unitedがその例に当てはまっちゃっているわけでして、一部で色々と議論が起こっているからであります。予めお断り&アリバイ作っておくと、私は英語がさほど得意なわけでもなく、言語学の専門家でもない上に、現地在住でもないってことを先に述べておきます。ただし、ある程度の大まかな訳からは逸れてはいないはずなので、英文を読み取った上で取り上げようと思った次第でございます。 先にざっくりとまとめれば、Manchester Unitedを「マンU」と表記するのは好ましくない。ってことが言いたいわけです。 「Manchester United」→「ManU」→「マンU」となったのか、「マンチェスター・ユナイテッド」→「マンU」となったのかは定かではありませんが、問題は「ManU」という表記にあります。原文でお読みいただければいいと思うので、「ManU Manure」とGoogle大教授にお尋ねしていただければ大方行き当たると思います。読むのがめんどくさいという方にさらにざっくりとまとめますと、「ManU」という表記が好ましくないのは「Manure」というよろしくない意味を持つ単語に近くなってしまい、それが過去にネタにされたことがある、ということ、があるからなんですね。英国ならではの強烈なチャントは多数あるので、そのひとつ、という見方もあるのですが、ネガティブな意味がある以上、Manchester Unitedを「ManU」と略して「マンU」と日本語で表記・呼ぶことは、先に上げたカカーの例を考えてもあまりよろしいことではないということが、なんとなくでもおわかりいただけたでしょうか。 ちなみに、ネタにされた時期が時期でして、先日私も観に行った「ミュンヘンの悲劇」という映画の紹介に「マンU」と言う言葉が使われているときは笑えないギャグかますもんだなと思いました。 もちろん、強烈な敵対意識を持つ上でそれを使うのであれば意図がはっきりしている以上、やむを得ないところもあるでしょう。(マージーサイドの赤いところのサポーターとか水色のところのサポーターとか)しかしながら、知らずに意図せずに「マンU」を使っていたとしたら、たとえ知らなくてもManchester Unitedを馬鹿にしていることになります。ましてや、Manchester Unitedが好きだ、とか、香川が移籍して興味がある、とかルーニーすごいよね、とか言っても「マンU」という一言で台無しになっているわけです。 最大の問題と思われているのは、知らないどころか、日本のメディアによって「マンU」という表記が当たり前のように使われ、また香川の移籍によって、更に拡大して目にする機会が増えている、ということです。これでは意図なくとも多くの人が「マンU」と呼んでしまうことはやむを得ない気がしてしまいます。 【日本における略す】 マスコミやメディアに完全な非があるとは言い切れない部分もあります。日本語というか、日本文化においては、「混ぜて略す」ということを避けて通れません。「サボる」「チョベリバ」「ググる」などなど、日常に使っている・使ってきた言葉にはかなり略した言葉があります。皆さんもよくお使いになるのではないでしょうか。ああ、もっといい例がありました。といいますかこれはもうひとつの単語ですからちょっと違うのかもしれませんが「AKB48」も例にあげられるでしょうかね。もちろん英語にだって「LOL」や「U」、「4」といった略はよく見られますし、140字という制限のあるTwitterなどでは尚更よく見られます。要は意味が通じれば略したほうが楽なわけです。 日本でサッカーをやっていればほとんどの人が「マンU」と言われて、「Manchester United」を思い浮かべるでしょう。そこに「City」は出てこないはずです。記事のタイトルにカタカナで「マンチェスター・ユナイテッド」と入っていてもタイトルが長くなってしまいます。皆さんよく目にするであろうYahoo!のトップページでは、クラブ名だけで記事のタイトルになりません。そういった背景や以前からと使われてきたこともあって、何も問題無いように専門誌でも「マンU」という表記は使われてきました。 しかし、このインターネットが発達したこの時代において、「マンU」という表記から来る発音が、ネガティブな意味を持つことがわかりました。香川が移籍したことで、マンチェスターを訪れる日本人もかなり増えているでしょう。オールド・トラッフォードにて香川のネームがプリントされた赤いユニフォームを着て、大声で「マンU」と叫ぶ。ここまでこの長々としたコラムを読んでいただければ、どんな姿が想像できるでしょうか。 【メディアの責任とは】 記者にとって文字数という制限がある以上、意味が通じるなら極力無駄な文字数は使いたくないのは理解できます。Yahoo!トップの件もそうです。この略した時の呼称が、ネガティブな意味をもっていることを知った上で、慣例上やむを得ず使っている記者、知らずに使っている記者、両方いることもわかっています。 ただし、やはり、Manchester Unitedを愛する一人としては、あまりネガティブな呼称が定着・拡散しすぎるのは、いかがなものかと思ったりもするわけです。もちろん毎度毎度襟を正すことは神経質すぎるのかもしれません。 しかし、「マンU=ManU」と呼ばれることで、非常に強い不快感を持つ人が多数いることも事実なのです。一番悲しいのは、自称サポーターと言いながら意図なく「マンU」と呼んでしまっている人ではないかと思います。増える文字数と格闘しつつも、メディアに関わる方々(特に専門誌)には再考をお願いしたいものです。 現状としては、先日アメリカで上場した際には「MANU」というティッカーコードが使われていたり、選手も知ってか知らずか「ManU」と呼んででいたりもします。こういった現状もあってか、このコラム、私の私見が100%正しいとは限りません。もちろん現地から取材してお届けしているわけでもないので、100%現地の現状がこうだ、と断定することも出来ません。もしかすると、今や過去の出来事として、今では問題なく使われている可能性もあります。 【現地読み、英語読み。カタカナで表せない発音】 もう一度別の選手の名前でみてみましょう。 現地読みに近いカタカナ表記をしようという動きは以前から見られるが、国際的にはやはり英語読みが優先されるので、なかなか徹底しにくい現状もある。最初の「Zico」にしてもそうだが、特にオランダ人選手の名前は厄介。「Overmars」なんてのはいい例ですね。 本田圭佑や吉田麻也などのおかげで「VVV」を「ブイブイブイ」とはお読みにならないと思いますが、オランダ語で考えれば「V」に濁音はつきません。一般的には「オーフェルマルス」とか「オフェルマルス」と呼ぶ方が多いと思います。英語読みにすれば「オーヴァーマース」とも読めます。もっとも彼の場合、イングランドでもスペインでもプレーしてますんで、何が正しい読み方なのかって定義をすること自体が無駄な気もしますが。 省エネのために後はカタカナで上げていきますと、「クライファート」とか「クライフェルト」とか、「スールシャール」とか「ソルスキア」とか「ソーシャー」とか「アンリ」?「ヘンリー」?「シャビ」?「チャビ」?「ロナウド」?「ホナウド」?「クリスティアーノ」?「クリスチャーノ」?「ウチダ」?「ウシダ」?すいません。「ディ・マッテオ」?「三遊亭好楽」?もはや関係ありません。 ちなみに同じ英語を母語としていてもアメリカとイギリスではやはり違いまして(というか英国国内でも訛ってて別の言語に聞こえたりもしますがヘアドライヤー)、ネタか否かはさておき、アメリカの大スターに「ベッケンハムさん」なんて呼ばれたとか呼ばれないとかっていう噂もインターネットでよく目にします。 皆さん、いろいろな雑誌やゲームに触れた時に、同じ選手でも呼び方が違うな、という経験があるかと思います。雑誌や記者によっては「ビジャ」だったり「ヴィジャ」だったり。とはいっても、たいていの日本にお住まいの方々でサッカーゲームをやると言う方は、フジテレビとコナミによるジョン・カビラ式発音が脳内にこびりついていると思われますのでカタカナ表記が違っても問題はないと思われます。 個人的には一度90分フルでレニー・ハートさんにラテン語圏の実況をやってくんねえかな、と思ってたりもします。 レニー・ハートをご存じない方はまたもGoogle大先生にお世話になってください。 【これからの課題】 話が大分それました。 そのままの名前は変えられない以上、略す際に、単純に一つルールを作るとすれば、最低限失礼に当たらない呼び方かどうか、ということを調べてから使う必要があると思います。小学校でも幼稚園でも習ったことがあるかと思いますが、相手の(この問題の場合は目に見えないことが多いのですが)嫌がることはしない、ということではないでしょうか。今の世の中インターネットで簡単に調べられる時代です。もちろん暗黙の了解があったり、現地にいないとわからないことも多々あると思います。 しかし最初というのはそれだけ重要で、一度定着してしまうと、変えることに多大なエネルギーが必要となります。ただ、これを日本のメディアが完全に揃えることは困難でしょうし、呼称を統一しなくてもいいと思います。だって大体わかりますから。英語専門で訳してる方や、ラテン語圏訳している方、フランス語etc…とそれぞれの立場で発音違いますからね。たまに南米の選手で、有名になった際に、昔と読み方ちげーじゃねえか、という選手が数名いるのもいい思い出です。 ちょっと戻って、予め断っておけば上記のようなことを私が完璧にこなせてはいません。意図を持って略して用いている言葉を使うことがなくはないからです。ネットスラングは今や当たり前のように使われているこの時代、私もその一員であるので、これを使わないということはないでしょう。「w」なんてのはいい例ですね。私もTwitter上にて「植」「うどん」などといった言葉は多用してますし、これが本人に失礼に当たらないかは断言できません。もちろん、本人が強い不快感を示すことが分かれば即時使わないことにしますが、この何が正しいのかわからない多様化の社会、とりわけインターネット上においては難しい問題であります。言い訳です、はい。 「師匠」「QBK」「茸」もどうなんでしょうかね。 ちなみに日本語もというか漢字も「音読」する際には相当面倒くさい言語です。まず訓か音かわかりません。慣れてくればさすがに「中村」を「ちゅうそん」とは読まないと思いますが、未だに「けんごう」と呼ぶ人はたまにいたりいなかったり。 難しい問題を取り上げたな、と思いつつ、こういった問題があるよ、ってことをとりあえず知っていただければ、この長々としたまとまりのないだらだらとしたコラムを書いた意味があると自己満足できると思います。知ってて使うか、知らずに使うかでは、同じ使うでも全く意味が異なりますので。 実のところ、カタカナ廃止にして全部ラテンアルファベットで表記しちまえばいいんじゃねえか、という暴論も考えたりしたこともあります。 そんなこんなで締めもうまくいきそうに無いくらいだらだらと突っ込みどころ満載のコラムを書いてしまいました。乱文、言葉遣いの統一性の無さ、特に後半の砕けっぷりはご容赦ください。 ちなみに「植」とか「うどん」などの意味がわかった人、多分私のフォロワーさんである確率はまあまあ高いと思われますがいかがでしょう。 筆者名 db7 プロフィール 親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。 ホームページ http://blogs.yahoo.co.jp/db7crf430mu ツイッター @db7crsh01 Facebook {module [170]} {module [171]} {module [190]} 【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名 ラッシュフォードの私服がやばい