サッカー界において「史上最高の選手」という議論は新たなスーパースターの登場と共に巻き起こるが、『bleacher report』が1920年から10年ごとに世界で最も活躍した選手をピックアップしているので情報を加えながらご紹介しよう。

1920年代 リカルド・サモラ (スペイン)

スペイン、バルセロナ出身の元GK。スペインの年間最優秀ゴールキーパー賞は彼の名前から「サモラ賞」と呼ばれている。2度のリーグ制覇、5回のスペイン国王杯、アントワープ五輪では銀メダルに輝いている。現役時代はエスパニョール、バルセロナ、レアル・マドリー、そしてニースでプレー。引退後は監督としてアトレティコ・マドリー、エスパニョール、そしてスペイン代表などを率いた。

1930年代 ジュゼッペ・メアッツァ (イタリア)

イタリア、ミラノ出身の元FW。インテル、ミラン、ユヴェントスを渡り歩いた選手でインテルでは第一期黄金時代の中心的な選手となった。1934年と1938年のワールドカップを連覇したイタリア代表の中心選手であり、イタリアサッカー界のレジェンドとしてインテルとミランのホームスタジアムは「ジュゼッペ・メアッツァ」と名付けられた。1927年から1940年までのインテル在籍中には3回の得点王に輝き、11シーズン連続で二桁ゴールを果たしている。

1940年代 スタンリー・マシューズ (イングランド)

第二次世界大戦のあった1940年代は各国でリーグ戦が中断されている。そんな中『bleacher report』は1956年に最初のバロンドールを獲得したイングランド史上最高のウィンガーであるスタンリー・マシューズをこの年代の最高の選手として挙げている。マシューズは17歳でプロデビューし、引退はなんと50歳。現役生活33年の中で一度も警告を受けた事がないという。キャリア通算で800試合以上に出場している。

1950年代 アルフレッド・ディ・ステファノ (アルゼンチン、スペイン)

UEFAチャンピオンズカップを5連覇したレアル・マドリーのエースで現在はレアル・マドリーの名誉会長を努めている。当時のレアル・マドリーはそれほど強くなかったが、ディ・スティファノは20世紀最優秀クラブに選ばれるビッグクラブへと変えた選手だった。レアル・マドリーでは300試合以上に出場し300ゴール以上奪っている。1956-57シーズンは42試合に出場して43ゴールと爆発的な得点力を発揮した。

1960年代 フェレンツ・プスカシュ (ハンガリー)

ハンガリー史上最高の選手。1950年前半から1954年に栄光を築いたハンガリー代表の主将で、当時のチームは「マジック・マジャール」と呼ばれた。レアル・マドリーに加入したのは1958年。ディ・スティファノの盟友として加入した1958-59シーズンから6年連続で20ゴール以上を奪っている。キャリア通算で600試合以上に出場し、600ゴール以上奪っている。その偉大なる功績を讃え、2009年から世界で生まれた最も美しいゴールをFIFAプスカシュ賞として表彰している。

1970年代 ヨハン・クライフ (オランダ)

1970年代、「トータル・フットボール」で世界を席巻し、現在に続くオランダサッカーの礎を作ったレジェンド。この年代にはウーゴ・サンチェス、ファルカン、リヴェリーノ、そしてフランツ・ベッケンバウアーなども含まれるが『bleacher report』はヨハン・クライフを1970年代の最高の選手としてリストアップしている。背番号「14」は彼が好んでつけた背番号であり、現在でも代名詞に。アヤックスでは永久欠番となっている。バロンドールには3回選ばれており、国際サッカー歴史統計連盟が1999年に発表したデータでは20世紀欧州最優秀選手に選ばれている。

1980年代 ディエゴ・マラドーナ (アルゼンチン)

ご存知、神の子マラドーナ。「サッカー史上最高の選手は誰か」という議論で常に名前の挙がるレジェンドの中のレジェンド。当代を代表するような圧倒的なスキルを見せつけ、史上に燦然と輝く伝説的な活躍を示した選手は数多く存在するが、マラドーナ以上に多くのエピソードを残し後世のプレーヤーに影響を残した選手はいない。今後彼のような破天荒な天才プレーヤーが登場するのは何年先になるのだろうか。いや、二度と現れない可能性のが高いかもしれない。

1990年代 ミカエル・ラウドルップ (デンマーク)

『bleacher report』は意外な選手を1990年代最高の選手としてピックアップしてきた。ヴィッセル神戸でプレーした元デンマーク代表のアタッカーは同国史上最高の選手として語り継がれるレジェンドだが、この10年間はミラン、ユヴェントスなどが黄金期を迎え、イタリアが世界最強リーグとして名を馳せていたからだ。パオロ・マルディーニ、ロベルト・バッジョというイタリアのレジェンドだけではなく、PSGからミランに加入したジョージ・ウェアやアペディ・ペレなどのアフリカの選手も台頭。そして「フェノーメノ」と呼ばれたロナウドの存在も忘れることはできない。EURO92に参加せず優勝メンバーから漏れたラウドルップを選出するのは意外だが、ラウドルップはチャンピオンズカップ1回、セリエA1回、リーガ・エスパニョーラ制覇5回、そしてエールディヴィジ制覇1回とこの10年間で多くのタイトルを獲得しており、バルセロナでの全盛期やユヴェントス時代、レアル・マドリー時代のパフォーマンスを鑑みて今回の選出となったようだ。確かに上述の選手たちのチーム成績に波があった事を考慮すれば「10年間活躍した」のはラウドルップがふさわしいかもしれない。

2000年代 ジネディーヌ・ジダン (フランス)

この10年間を代表する選手としてピックアップされたはフランスの英雄だ。EURO2000で優勝後、レアル・マドリーに2001年に加入。以降5年間、世界最高の司令塔として名前を轟かせた。チャンピオンズリーグ決勝でのゴールや2006年ワールドカップでのラストダンスなど傑出度が際立っていたのが選出理由の様だ。彼の対抗馬としてはロナウジーニョが唯一比較の可能性があると『bleacher report』は語っているが代表レベルでの活躍はジダンには劣ったと言って良いのではないだろうか。

2010年代 リオネル・メッシ (アルゼンチン)

『bleacher report』は最後にこの2010年代を飾る選手を予想している。二人の候補がこの10年を争うのは間違いないく、それがリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドであることは誰の目に見ても明らかだ。二人はモダンサッカーにおいて傑出した選手であり、前述のフェレンツ・プスカシュやワールドカップ1大会最多ゴール記録である13得点を保持するジュスト・フォンテーヌ(フランス)のように他の選手を圧倒していると評価している。その上で同サイトは現時点ではメッシが現時点で上だと評している。それはメッシは既に3年連続バロンドールの偉業を達成しており、年間最多得点の歴代記録を塗り替えるのも間違いないからだ。まだこの10年間の初頭にすぎないが現時点での最高選手を彼である事に疑いの余地はないとしている。