3月9日、エジプトサッカー協会は「協会本部が放火され、全ての文書が消失、全てのトロフィーは盗まれた」と発表した。
原因は、昨年2月にポートサイド・スタジアムで発生した暴動事件に関して、加害者に判決が言い渡されたこと。73人の被告のうち、21名が死刑、5名が終身刑、5名が15年以上の懲役、28名が無罪。そのほかは短期の懲役刑を受けた。
また、スタジアムの警備責任者であったイサム・サマク、並びにセキュリティ部門長であったムハンマド・サードがそれぞれ15年の懲役刑を言い渡されている。
無罪となった28名のうち7名が警察官で、政府高官の元側近が含まれていることに対して、事件の被害者となったアル・アハリのサポーターグループが反発。彼らのメンバー数百人がエジプトサッカー協会を襲撃し、火を放ったとのことだ。
エジプトサッカー協会のCEOを務めているサルワト・スウェラム氏はMENA通信のインタビューに対してこのように話している。
「状況は非常に難しい。サッカー協会の本部は完全に焼失した。会長のガマル・アーラムは本日行われる緊急会議に出席するため、海外から帰国している。数多くのアル・アハリのウルトラスが詰めかけ、全ての文書や論文を焼き、全てのトロフィーを盗んでいった。
エジプトのサッカーの歴史は失われてしまった。回復することは、もはや不可能だ」
協会の広報部長を務めているアズミ・メガヘド氏はアフラム紙に対してこのように語っている。
「執行委員会は、協会本部への攻撃と、エジプトサッカーの未来を議論するための会議を開催することを決定した。我々は昨年の悲劇を繰り返さないため、再び国内のサッカー活動を停止することを提案し、これを議論する予定だ」
ただし協会副会長を務めているハサン・ファリード氏は、「サッカー活動の停止に関しては議論されない」と同紙に話しており、方針は一致していないようだ。