7月28日、BBC、レキップを初めとした各メディアは「エクアドル代表FWクリスティアン・ベニテスがカタールで死亡した」と報じた。

その個性的な髪型と抜群の得点力で国内、メキシコを中心に圧倒的な支持を得ていた“チュチョ”ことクリスティアン・ベニテス。エクアドルリーグ最多得点記録を持つエルメン・ベニテスの息子として早くから頭角を表し、20歳だった2006年にW杯メンバーへ招集され一躍を脚光を浴びると、2007年からはメキシコで、2009-2010年には英・プレミアのバーミンガムでプレーした。

プレミアでは思うように活躍できずすぐにメキシコへ戻ったがそれ以降、1試合に1点に近いペースでゴールを量産し復活をアピール。代表でも今W杯予選でコンビを組むフェリペ・カイセドに次ぐ4ゴールを記録し、代表通算では歴代トップで同国の重鎮アグスティン・デルガドの31ゴールに迫る歴代3位の24ゴールをマーク。その活躍で今夏にはプレミア復帰も取り沙汰されるなか、カタール1部のエル・ジャイシュと契約し、カタールに渡ったばかりだった。

なお、死亡の原因に関しては各メディアの報道によってまちまちであり、エル・コメルシオ紙は「腹痛を訴えて入院した」と報じており、髄膜炎や虫垂炎、あるいは心臓発作であったと推測しているが、一方でBBCは交通事故に遭ったという報道を行っている。またカタールのアル・シャルク紙が心停止であったと書いており、一時情報は錯綜した。

しかしその後エクアドルサッカー協会が声明を発表、並びに代理人を務めていたホセ・チャモロ氏がエクアドルのテレビ局のインタビューに答え、その内容がエクアドルのエル・コメルシオ紙とも一致していることからほぼ正確な状況であると思われる。

その状況は、「ホテルで家族と食事をしていたところ、ベニテスは胃に強い痛みを感じたが、対処が遅れた。その後病院に運ばれたものの、数時間後に死亡した」という。その時間については正確だと確証は持てないが、エル・コメルシオ紙によれば、現地時間3時に家族とホテルで食事を取っていたベニテスに症状が現れ、4時に病院へ運ばれたとのことだ。

エクアドルでは2005年に“スパイダーマン”ことオティリノ・テノリオ選手が交通事故で死亡しており、ワールドカップ予選が佳境を迎える中、またしても代表のスター選手を突然失うことになった。

マンチェスター・ユナイテッドの一員として現在アジアツアーに帯同している(バレンシアはアジアツアーに帯同していないというご指摘をいただきました。情報を修正させていただくとともに深くお詫びを申し上げます)同代表選手のアントニオ・バレンシアは、自身のツイッターにおいて、わずか27歳でこの世を去った友人を偲ぶコメントを投稿している。

また、ベニテスが所属した各クラブも公式ツイッターにおいて彼を追悼する声明を次々と発表している。

ベニテス、最後のツイート

Gracias, Adiós CHUCHO!

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