沖縄県全域を拠点としながらJリーグ入りを目指す沖縄SV(エスファウ)。

元日本代表の高原直泰が代表兼監督兼選手を務めることで知られるクラブは現在、九州リーグに所属しており、今季は開幕から無傷の13連勝を達成。47得点3失点という無敵の強さでJFL昇格に向けて邁進している。

そんな沖縄SVが8月5日、学校法人角川ドワンゴN高等学校と業務提携を結ぶことを発表した。

「ネットの高校」とも呼ばれるN高校は、得意なことを伸ばすため場所にとらわれることなく様々な活動ができることを重視した学校。一般的な通信制高校のイメージを払拭する存在として話題になっており、世界で活躍する高校生アスリートも複数在籍している。

フィギュアスケートの紀平梨花は代表的な在校生の一人だ。

右はN高校の奥平博一校長。沖縄県うるま市の伊計島に同校の本校がある関係で二人は以前から面識があり、ともに「ようやく実現した」と話す姿が印象的だった。

沖縄SVとN高校は今回の提携により、サッカーのプロ選手を目指すユースをはじめとするジュニアアスリートの育成をサポートする教育環境を提供。

沖縄SVでは今後、所属のユース選手のうち希望者がN高校に入学。高卒資格取得のための学習をオンラインで行うことで効率的に時間を使えるだけでなく、合宿や遠征の際も場所を選ばずに学習を進めることができるようになるという。

N高校らしい多彩なアドバンストプログラム(課外選択授業)も魅力。選手以外の立場で競技に携わっていくことも視野に入れると「プログラミング・機械学習」などは今後ニーズが高まっていきそうである。

優秀な成績を収めている、あるいは才能を持った学生はN高校の特別奨学生制度を利用することも可能で、診査が通った選手には学費の一部または全額が奨学金として支給されるとのことだ。

高校時代、静岡県内でも進学校として知られる清水東に通っていた高原。学業との両立にはやはり苦労したという。

特に入学したばかりの1年生時は、世代別の日本代表で遠征していた関係で最初の2週間ほど学校へ行くことができず、かなり戸惑ったと振り返った。そうした自身の体験があったからこそ、時間を有効に使いながら自分のやりたいことに集中して取り組めるN高校の仕組みはより魅力的に映ったに違いない。

なお、N高校は今回の業務提携を機にアスリートクラスを新設。競技の枠を超えたコミュニティ作りを重視しており、高原はアドバイザーとしてそのハブ的な存在になる。

沖縄SVが創設当初より熱心に取り組んでいる地域貢献を含め、今後の展開が楽しみな業務提携となりそうだ。

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介