審判に暴言を吐いた指導者に対し、西ドイツサッカー協会が言い渡した「珍しい罰則」が物議を醸しているようだ。
罰則を受けたのはボルシアMGのU-23で監督を務めているハイコ・フォーゲル氏。彼は1月の試合で審判やアシスタントレフェリーに対して激しく抗議を行い、規律違反で罰せられることになった。
『ESPN』によれば、西ドイツサッカー協会は今回ハイコ・フォーゲル氏に対して「2試合のベンチ入り禁止、1500ユーロ(およそ19.5万円)の罰金」を言い渡したほか、なんと「6月30日までに女子チームの指導を6回行うこと」という命令を下したという。
ただ報道によれば、この判決に対して女子サッカーに関わる者からは批判が相次いでいるという。
女子サッカーネットワークのニコル・セルマー氏は『ESPN』に対して「社会活動として女子チームを指導せよというのは罰則ではない。女子サッカーはスポーツであり、そこに参加する者は男子と同じようにプロフェッショナルであるべき」と批判したそうだ。
ハイコ・フォーゲル氏は教師をしながらバイエルン・ミュンヘンの下部組織で指導者を長く務め、2009年からはバーゼルでトルステン・フィンク監督のアシスタントコーチになった。
2011-12シーズンには監督に昇格して指揮をとったあと、バイエルンに復帰してリザーブチームを率いた。それからシュトゥルム・グラーツとKFCユールディンゲンで監督を務めたあと、ボルシアMGに加入していた。
もちろん一時はドイツ屈指の若手指導者として評価されていたフォーゲル氏の指導は貴重だろうが、罰則として女子サッカーのコーチをさせるというのは確かに聞こえが悪い…。