今シーズンからAFCチャンピオンズリーグ・エリート(以下ACLE)の外国籍選手枠が撤廃されたことに伴い、アジアの各国リーグで外国籍選手を枠拡大する動きが広がっている。
ACLEでは世界的なビッグネームの獲得が相次いだサウジアラビアリーグや外国籍選手の登録に上限がないUAEリーグのクラブが圧倒的に有利になるのではないかとの意見が多い。
一方で外国籍枠が拡大したサウジアラビアリーグでは、自国選手の出場時間が激減。
同国代表がワールドカップ予選で苦戦するなど実際に悪影響が出ている。
実際に外国籍選手枠の撤廃が、ここまでのACLEの順位に影響を及ぼしているのか見ていこう。
西地区はサウジアラビア勢が圧倒
ここまで6試合を終えての西地区の順位表は以下の通り。
Here’s how the #ACLElite standings look after Matchday 6 📊The battle resumes in February—see you next matchday! 🔥💪#JourneyToChampionship | @qatarairways pic.twitter.com/MnLGrx9Shg
— #ACLElite | #ACLTwo (@TheAFCCL) December 6, 2024
1位アル・ヒラル、2位アル・アハリ、3位アル・ナスルとサウジアラビア勢が上位を独占。
サウジアラビア勢を4位アル・サッド(カタール1部)、5位アル・ワスル(UAE1部)が追走している。
サウジアラビア1部は近年、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)やブラジル代表FWネイマール(アル・ヒラル)を筆頭に世界的なスター選手を乱獲して世界中を驚かせた。
さらに、今シーズンから従来の外国籍選手枠8から2枠追加され、試合に出場できる外国籍選手は最大8人まで増えた。
外国籍選手枠が撤廃されたアジアのコンペティションではその豪華なメンバーをフル活用できる。
ACLE西地区で2位のアル・アハリは、第5節のアル・アイン(UAE1部)との試合で外国籍選手8人を先発起用した。
また、サウジアラビアの3クラブは、先発出場した外国籍選手の割合が多い上、得点の部分でも強力な外国籍選手に依存している。
アル・ヒラルは全20ゴールのうち13ゴールを外国籍選手が記録した。アル・アハリは全14ゴールのうち12ゴール。アル・ナスルは全13ゴールのうち11ゴールとなっている。
いたるポジションにワールドクラスの選手を揃えるサウジアラビアのクラブは、外国籍選手枠撤廃の恩恵を受けているといえるだろう。
しかし、サウジアラビア人選手は国内リーグで出場機会の確保に苦しんでいる。
前代表監督のロベルト・マンチーニ氏は「(代表に招集された)20人の選手がベンチに座っている。サウジアラビア代表選手は、所属クラブにおいてカギとなる選手としてプレーしなければならない」とサウジアラビアリーグの現状に警鐘を鳴らした。