K-1 MAXの初期メンバーとして魔裟斗らと激闘を繰り広げ、総合格闘家としてパンクラス、UFC、リングス、HERO`Sなどで活躍した須藤元気が2025年9月にK-1プロデューサーに就任した。
レスリング指導者、ダンスパフォーマー、元国会議員と多彩なキャリアを歩んできた彼が、K-1活性化のために再び立ち上がった!

「もう一度、会場に来たい」と思わせるK-1へ

――2019年7月から参議院議員として政界を中心に活動していた須藤さんが、K-1プロデューサーに就任されました。現在はどんな取り組みをしていますか?

須藤:週1回の定例ミーティングに出席し、さまざまな議論に参加しています。9月からプロデューサーに就任しましたが、昔とは格闘技界の状況が違っていますので、“浦島太郎状態”ではありました。私のアイデアが反映されるのはこれからですね。

画像: 「もう一度、会場に来たい」と思わせるK-1へ

――いろいろなジャンルでマルチな才能を発揮されてきましたが、どんな視点でK-1を見ていますか。

須藤:選手が安心して戦える場所を提供することが大前提ですが、プロデューサーとしては「お客様視点」を大事にしています。「もう1回見に来たい!」と思うファンを増やしたいですね。格闘技に興味のない人や、初めて見に来た人の心をつかむためにどうするか。そのために、ひとつの大会を一部・二部制に分けて、時間短縮を図りました。僕が格闘家だったのはもう20年も前のことですが、当時は見に来た方たちが大会を見たあとに飲みに行って、「あの試合はすごかったよね」と語ることができました。試合数が多すぎると見ているだけで疲れてしまうと思うんです。

――“浦島太郎”の視点で見て気づいたことですね。

須藤:試合後のマイクパフォーマンスは、本当に必要なのかなという疑問があります。もちろん、ファイターとしての主張を持つことは大事ですが、「あまり長いとなあ……」と感じるお客さんもいるんじゃないでしょうか。
時間というよりもテンポの問題かもしれません。外国人選手もたくさん出場しているので、複数の通訳が入らないといけないということもありますね。

――何か月前からその試合のために準備した選手の気持ちが、前面に出る場面ですね。

須藤:選手たちの思いはよくわかります。ただ、「自分がどう見られるか」がわかるのも、いいファイターの条件かなと思います。ひとつの興行として考えるなら、短縮すべきところを短くして、見てほしいところに集中してもらえる環境づくりが大事です。

――過剰演出にならないように、ということでしょうか。

須藤:去年、K-1の下部組織であるKrushを見に行ったんですが、ミニマリズムというのか、タイトルマッチ以外は試合前の“煽りVTR”がなくて、逆に「これはいいな」と思いました。

「K-1 WORLD GP 2026」を2月に開催 会場でしか味わえない熱気を感じて欲しい

――選手の情報が少なくても、選手たちの思いが観客に伝わる試合は多いですね。

須藤:そうですね。2月8日に代々木第2体育館で『K-1 WORLD GP 2026~90kg最強トーナメント』を行いますが、11時30分からプレミナリーファイトがあり、一部は12時、二部は15時スタートとなります。もちろん、全試合を見てもらうのが最高なんですが、一部だけでも二部からでもOKです。前回の大会に初めて来てくれた友人が、試合を二部から見て「K-1って面白い」と感じ、そこからどっぷりハマったと聞きました。そういう人が増えていけばうれしいですね。お客さんをいかにも満足させるかが大事。熱量とか臨場感は会場にいなければ伝わらないと思います。

――K-1プロデューサーに就任して半年足らずですが、発見はありますか。

須藤:僕が驚いたのは、K-1を知らない人がいないこと。『K-1のプロデューサーをやっています』と言うと、『あのK-1ですね』となります。その価値、資産を活かしてどんな展開をつくるのか、それを考えています。

――K-1で気になる選手はいますか。

須藤:今回の2月大会にも出場し、対戦しますが、金子晃大選手、大久保琉唯選手は、ものすごくキャラが立っています。実力も認知度ももっともっと上がっていくはずです。K-1として、一人ひとりをバックアップしていきます。

画像: 「K-1 WORLD GP 2026」を2月に開催 会場でしか味わえない熱気を感じて欲しい

観客をワクワクさせるために、自分がやってきたこと

――須藤さんが現役時代、入場時のパフォーマンスは圧巻でした。

須藤:観客として格闘技の大会を観戦した時に、判定、判定が続いたあとに、溜めて入場する選手がいたんですよ。「この時間はムダじゃないか」と思いました。だから僕は、デビュー戦からパフォーマンスをやってきました。
入場からお客さんが楽しめるようにと考えて、自分にしかできないパフォーマンスをするようにしました。そこにあったのは、観戦する人をワクワクさせたいという思い。そのかわり、試合後のマイクはなしでさっとリングを降りるようにしていました。

画像: 観客をワクワクさせるために、自分がやってきたこと

――それが須藤さんのスタイルだったんですね。

須藤:僕のやり方が正解だったかどうかはわかりませんし、あれをマネしろとは言いません。それぞれの選手に合ったやり方を見つけてほしい。みんなのキャラクターを組み合わせて大会を盛り上げるのがプロデューサーの役割だと考えています。

(後編へ続く)

【プロフィール】

須藤元気(すどう・げんき)
1978年3月8日生まれ、東京都出身。元総合格闘家、K-1プロデューサー。
K-1 MAX初期メンバーとして魔裟斗らと名勝負を繰り広げ、「変幻自在のトリックスター」の異名で高い人気を誇った。総合格闘技ではパンクラス、UFC、リングス、HERO’Sなど国内外の舞台で活躍。独創的なファイトスタイルと入場パフォーマンスで、勝敗を超えた強烈なインパクトを残した。28歳で現役を引退後は、レスリング指導者、ダンスパフォーマー、アーティストとしても活動。2019年には参議院議員に初当選し、政界でも注目を集めた。2025年9月、K-1プロデューサーに就任。「観客目線」を重視した興行づくりを掲げ、K-1の新たな可能性に挑んでいる。

須藤がプロデューサーを務めるK-1の最新大会『K-1 WORLD GP 2026~ -90kg世界最強決定トーナメント~』は2026年2月8日(日)に代々木競技場第二体育館で行われる。

取材・文=元永知宏

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