「一人の選手も見えなかった」監督を遮った壁の正体
アメリカのダラスで行われたグループLの初戦、クロアチア戦のキックオフ直前だった。今大会はFIFAの新たな試合前の試みで、国歌斉唱時にはベンチ入りも含めて選手全員がセンターサークル付近に集まることになっている。チェルシーでチャンピオンズリーグ優勝の経験もあるドイツ人指揮官は、選手たちがイングランド国歌「ゴッド・セーブ・ザ・キング」を熱唱する特別な瞬間を心待ちにしていた。
しかし、英メディア『GB News』によると、いざ国歌斉唱が始まると、監督のいるテクニカルエリアのわずか50センチほど手前に、約50人ものカメラマンが押し寄せ、巨大な「壁」を形成した。トゥヘル監督の視界は完全に遮られ、選手たちの姿が見えなくなってしまったのだ。楽しみにしていた瞬間を邪魔された指揮官は、カメラマンの多さと配置に激怒したという。
ドイツ人のトゥヘルはイングランド国家を歌う?
グループリーグ屈指の好カードで、2018年ロシア大会準決勝以来の再戦となった試合は、前半は互いに2点ずつを奪い合う一進一退の攻防。後半の立ち上がりにイングランドのジュード・ベリンガムが右から持ち込んで決勝点を奪うと、後半40分にはマーカス・ラシュフォードの追加点で粘るクロアチアを4-2で振り切った。
試合後、トゥヘル監督は勝利を喜びつつ、試合前のカメラマンの配置について「FIFAにカメラマンの位置を変えてほしいと懇願している。選手の姿が全く見えなかったからだ」と苦言を呈した。「今日は非常に、非常に特別な瞬間だった。しかし一人の選手も見えず、私の素晴らしい体験が台無しにされてしまった」と不満を露わにした。
同メディアによると、トゥヘル自身が国家を歌うことについては「まだ私はその権利を得ていない。決勝に進んだら歌うかもしれないが、今はまだ少し恥ずかしい」として歌うのを見送ったが、決勝まで勝ち進めば口ずさむ姿が見られるかもしれないという。
