脳震盪で引退した元選手らを「snowflakes」と揶揄
発端となったのは、ポッドキャスト番組の司会者であり、フットボールの州リーグ選手や記者経験があるニック・バトラー氏の発言だった。オーストラリアメディア『news.com.au』によると、バトラー氏は番組内で、脳震盪の影響により24歳という若さで現役を退く決断を下したネイサン・マーフィーら元AFL選手を指して、「snowflakes(雪の結晶=繊細ですぐに傷つく軟弱者)」や「concussion warriors(脳震盪の戦士)」といった言葉を用いて揶揄したという。
バトラー氏自身も、過去の試合で複数の負傷や脳震盪の症状を経験していることから、自らの発言は単なる「冗談」や「仲間内の軽口」であったと弁明した。しかし、脳に深刻なダメージを負うリスクを抱え、苦渋の決断で引退を余儀なくされた選手たちに対し、「ガラスの顎」などと言い、打たれ弱いと茶化す態度は容認されるものではなかった。この発言を含むクリップが公開されるとすぐに炎上し、抗議の声が殺到した。番組側は該当エピソードを削除した。
専門家は「脳損傷をジョーク的に扱うのは…」

炎上に加えてバトラー氏の発言に対し、医療の専門家からも厳しい指摘が相次いでいる。脳神経生理学者のアラン・ピアース博士は「キャリアを終わらせ、人々の日常生活に影響を与える脳損傷をジョーク的に扱うのは憂慮すべきことであり、これを見たときは衝撃を受けた。これは簡単に笑い飛ばせるようなことではない」と語った。
その上でこれまでの歴史的な背景をふまえて「これは1990年代から2000年代初頭にかけて使われていた言葉遣いを思い出させる。当時は、脳震盪を起こした人は弱いと見なされ、脳震盪でプレーを続けられず引退せざるを得なかった人は、弱虫扱いされていた。このような言葉が今でも使われているのは悲しいこと」と警鐘を鳴らしている。
