「名前は聞いたことあるけれど、どのチームを見ればいいの?」「どの選手に注目すればいいの?」
そんなふうに、最初の一歩で迷ってしまう人もいるかもしれない。
日本のバスケットボールは、NBAで活躍する八村塁や河村勇輝といった選手の登場をきっかけに、世界からも注目される存在へと成長してきた。その熱気を感じられるのが、Bリーグだ。
Bリーグは、選手から入ってもいい。ルールや戦術が分からなくても問題ない。「この人のプレーはワクワクする」「なんだか応援したくなる」――そう思える選手が一人いれば、試合の見え方は自然と変わっていく。
そこで今回は、Bリーグをこれから見始める人に向けて、まずチェックしてほしいおすすめの選手10人を紹介する。
2026年1月16~18日に開催される「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2026 INNAGASAKI」に出場する選手もいるので、ぜひチェックしてほしい。
まずはここから。日本バスケを象徴するスターたち
Bリーグには、日本代表として長く活躍し、日本のバスケットボール界を牽引してきた選手たちがいる。初めて試合を見るなら、まずはこのクラスの選手からチェックしてみるといい。Bリーグの魅力や面白さが、より伝わりやすくなるはずだ。
1.渡邊雄太──NBAの舞台でプレーし続けてきたトッププレーヤー

Photo=共同通信社
所属:千葉ジェッツ
出身地:香川県
生年月日:1994年10月13日
身長:206cm
ポジション:SF/PF
まず名前を挙げたいのが、渡邊雄太だ。日本人選手としてNBAの舞台でプレーし続けてきた数少ない存在で、「日本人でもここまでできる」ということを体現してきた選手と言える。
2018年から6シーズンにわたりNBAでプレーし、複数のチームで経験を積んだあと2024-25シーズンから日本に復帰。現在は千葉ジェッツでプレーしている。
シュート、リバウンド、ブロックショット、ディフェンスまで、どのスキルも外国籍選手を相手に高いレベルで発揮できる稀有な存在だ。ディフェンスから一気に流れを変えるダンクや、勝負所で沈めるスリーポイントシュートは必見。細かなルールを知らなくても、「この選手はすごい」と直感できるだろう。
初めてBリーグを観るなら、まずは渡邊の動きを追ってみてほしい。
2. 富樫勇樹──コートの空気が一変する唯一無二のスピードとシュート力

所属:千葉ジェッツ
出身地:新潟県
生年月日:1993年7月30日
身長:167cm
ポジション:PG
Bリーグを語るうえで、富樫勇樹の名前は外せない。千葉ジェッツ、そして日本代表を長年支えてきた存在だ。
身長は167cm。
2mを超える選手が当たり前の世界でも、そのサイズを感じさせないスピードとシュート力、そして勝負強さで「サイズは関係ない」ことを証明し続けてきた。
スピード感あふれるドリブルからのジャンプシュート、クラッチタイムでの一投は誰にも止められない。
千葉ジェッツの試合を観るなら、富樫がボールを持った瞬間に注目してほしい。会場の空気が一変する感覚を、きっと味わえるはずだ。
渡邊、富樫というリーグ屈指のスターを軸に、千葉Jには次の世代を担う若い選手たちも育っている。その筆頭が、金近廉だ。
大学時代から高い得点力を示してきた大型フォワードで、2024年にはファン投票企画で「Bリーグ モテ男No.1」に輝いた。現在は右肩の負傷で離脱中だが、復帰が待たれる存在である。
そしてもうひとり注目したいのが、瀬川琉久。19歳とは思えないハンドリングとシュートスキルを備え、ビッグネーム相手にも臆せずプレーする姿は、今から名前を覚えておきたい理由のひとつだ。
千葉Jは今シーズンも優勝候補の一角。その中で、スターの現在と若手の未来を同時に感じられるのも、このチームを観る楽しさと言える。
3. 比江島慎──「ヒエジマステップ」と高精度の3Pシュートでチームを支える

Photo = 共同通信社
所属:宇都宮ブレックス
出身地:福岡県
生年月日:1990年8月11日
身長:191cm
ポジション:SG
一方で、日本バスケの「顔」として、別のチームで長く第一線を走り続けてきた存在もいる。
その代表格が、比江島慎だ。
比江島慎は、日本代表としてひとつの時代を切り開いてきた選手のひとりだ。2023年のFIBAバスケットボールワールドカップでも日本代表として躍動し、現在も宇都宮ブレックスの中心としてチームを支えている。
最大の武器は、相手の重心を一瞬で崩すドライブ。
独特の間とステップでかわす「ヒエジマステップ」は、初めてBリーグを観る人にも楽しめるプレー。ドリブルからのスリーポイントシュートも高精度で、一度は生で観る価値がある。
そんな比江島の活躍もあり、宇都宮は昨シーズン、Bリーグ史上最多となる3度目のリーグ優勝を達成した。
そしてこのチームには、もうひとり欠かせない存在がいる。D・J・ニュービルだ。
ニュービルは2023-24、2024-25シーズンと2年連続でレギュラーシーズンMVPを受賞。さらに、りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25でもMVPに輝いた。高い得点力と安定感を兼ね備えた万能型スコアラーである。
比江島とニュービルを軸に、宇都宮は今シーズンも優勝候補としてリーグを牽引している。
一瞬で試合を支配する──今シーズン、Bリーグを沸かせるガードたち
高いスキルと勝負強さでチームを牽引し、観る者を夢中にさせるスターガードたちがいる。
試合の流れを操り、時には一瞬で会場の空気を変える――そんな選手たちのプレーからも目が離せない。
4. 富永啓生──「和製ステフィン・カリー」と称される圧倒的なシューティング力

Photo = 共同通信社
所属:レバンガ北海道
出身地:愛知県
生年月日:2001年2月1日
身長:188cm
ポジション:SG
一度見たら忘れられない。徹底したマークの中でも得点を積み上げるスコアラーとしての嗅覚とマインドは、日本でも屈指のレベルを誇る。
高校卒業後にアメリカへ渡り、NCAA(ネブラスカ大学)、Gリーグで経験を積んだのち、2025-26シーズンからレバンガ北海道に加入。Bリーグでも大きな存在感を放っている。
最大の武器は、スリーポイントシュートだ。
その精度と威力から、ステフィン・カリーになぞらえ「和製ステフィン・カリー」と呼ばれることもある。迷いなく放たれる一投は、幾度となく相手チームの心を折ってきた。
ボールを持った瞬間に「次は打つかもしれない」と感じさせる存在感は圧巻。富永がコートに立つだけで、試合の見え方は大きく変わる。
今シーズン、北海道の試合を観るなら、まずは富永のスリーポイントシュートに注目してほしい。
そして、今シーズン好調な北海道を語るうえで、もうひとり欠かせない存在がいる。
ジャリル・オカファーだ。
NBAドラフト全体3位で指名され、NBAでもプレーしてきた実績を持つビッグマン。ゴール下での強さと献身的なプレーで、Bリーグ1年目とは思えない存在感を示している。
今シーズンの北海道は、この2人を軸に、リーグの中でも確かな存在感を放つチームへと変貌を遂げている。
5. 齋藤拓実──巧みなフェイクと高いパスセンスを併せ持つチームの司令塔

©NAGOYAD
所属:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
出身地:神奈川県
生年月日:1995年8月11日
身長:171cm
ポジション:PG
前述の富永啓生が“得点力”で試合を沸かせる存在だとすれば、試合全体を読み、勝利へと導くタイプのガードもいる。その代表格が、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実だ。ポイントガードとしてチームを牽引する司令塔。巧みなフェイクと高いパスセンスを持ち、試合のリズムを自在に操る。
スピードを武器に鋭いドリブルで局面を打開し、アシストや得点を量産。身体能力だけに頼らず、先読みやフローター、多彩なシュートで勝負できるのが強みだ。外国籍選手とのピック&ロールで見せる決定力もリーグ屈指。
2025年11月には、FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選の日本代表メンバーにも選出されている。
同じ名古屋Dには、攻守に存在感を放つ今村圭太もいる。
勝負所でのビッグショットを決め切る強心臓ぶりと、年々成長を続ける姿勢は、チームに欠かせない要素だ。齋藤と今村が揃うことで、名古屋Dの攻撃はより多彩になる。今シーズンこそ悲願の優勝を果たせるのか、注目が集まる。
6. 安藤誓哉──得点とアシストを量産する「コート上の王様」

Photo = 共同通信社
所属:横浜ビー・コルセアーズ
出身地:東京都
生年月日:1992年7月15日
身長:181cm
ポジション:PG
試合を操る司令塔がいれば、自らの存在感でコートを支配するガードもいる。
それが、横浜ビー・コルセアーズの安藤誓哉だ。
明治大学在学中に海外挑戦を決断し、カナダのNBLカナダでプレーするなど、豊富な経験を積んできた安藤誓哉。今シーズンは横浜ビー・コルセアーズへ移籍し、新天地で存在感を放っている。
安藤は、まるで「コート上の王様」。得点とアシストを量産し、体の強さを生かしたドライブやスリーポイントシュートで相手を圧倒する。ベテランならではのゲームメイクと勝負どころでの判断力、そしてチームと会場を鼓舞するメンタルの強さはリーグ屈指。高い出場時間の中でもパフォーマンスを落とさないタフさも大きな武器だ。
2025年11月には、齋藤拓実と同じく日本代表メンバーに選出されている。
勝負所を託される存在──Bリーグを支える日本代表選手たち
続いては、コートの中心でチームを支え、勝負所で輝きを放つ選手たち。
日本代表として国際舞台でも戦い続ける、Bリーグを象徴する存在を紹介する。
7. ジョシュ・ホーキンソン──高い得点力やリバウンドで活躍する日本代表の大黒柱

Photo = 共同通信社
所属:サンロッカーズ渋谷
出身地:アメリカ合衆国
生年月日:1995年6月23日
身長:208cm
ポジション:C/PF
身長208cmのビッグマン。名前に「ホーク(鷹)」が含まれることから愛称は「タカちゃん」。
サンロッカーズ渋谷でプレーし、日本代表の主力としても活躍している。
ワシントン州立大学卒業後、2017年にBリーグでプロデビュー。2023年に日本国籍を取得し、FIBAバスケットボールワールドカップ2023やパリ2024オリンピックでは、日本代表大黒柱として躍進を支えた。
最後まで諦めずに飛び込むリバウンド、体を張ったブロックショット、確実性の高いフィニッシュ。渾身性と総合力を兼ね備えたプレースタイルは、日本人ビッグマンの理想像と言える。
日本語も堪能で、日本の文化や生活に深く溶け込む姿も印象的、時折披露する日本語の歌も含め、コート内外でファンの心を掴んでいる。
8. 馬場雄大──高い身体能力を生かしたダイナミックなプレーが魅力

Photo = 共同通信社
所属:長崎ヴェルカ
出身地:富山県
生年月日:1995年11月7日
身長:196cm
ポジション:SG/SF
GリーグやオーストラリアのNBLなど、海外でも挑戦を続けてきた日本代表のウイング。現在は長崎ヴェルカでプレーしている。
最大の魅力は、高い身体能力と強靭なフィジカルを生かしたダイナミックなプレー。外国籍選手にも引けを取らないディフェンス力を誇り、鋭いスティールや運動量で試合の流れを変える。
観戦する際は、豪快なプレーだけでなく、要所で光るディフェンスにも注目してほしい。
なお、同じ長崎ヴェルカには、韓国代表エースのイ・ヒョンジュンも在籍。アジアを代表するスコアラーの競演も、このチームを観る楽しみのひとつだ。
9. 西田優大──「おでんくん」の愛称で親しまれる多彩なオールラウンダー

Photo = 共同通信社
所属:シーホース三河
出身地:徳島県
生年月日:1999年3月13日
身長:190cm
ポジション:SG/SF
愛称は「おでんくん」。
リリー・フランキーの絵本『おでんくん』の主人公に顔が似ていることから付けられたニックネームだ。兄弟2人もBリーグで活躍する、バスケットボール一家の逸材でもある。
シーホース三河でシューティングガードとしてプレーし、2021年に日本代表に初選出。デビュー戦でチーム最多得点を記録するなど、代表経験も豊富だ。
左利きから放たれる高確率のスリーポイントシュート、粘り強いディフェンス、そして献身的な立ち回りが持ち味。派手さはないが、ピック&ロールからスルスルとゴールへ迫り、確実にフィニッシュまで持ち込むドライブは必見だ。
祭典を沸かせる存在──Bリーグの“神の左手”
Bリーグのオールスターは、リーグを代表するスター選手たちが一堂に会する特別な祭典だ。
毎年、観客を沸かせるのは試合内容だけでなく、選手たちが見せるパフォーマンスや演出、思わぬハプニング。そんな中でも、常に大きな注目を集める存在がいる。
10. 篠山竜青──年齢を感じさせないスタミナと精神力

所属:川崎ブレイブサンダース
出身地:神奈川県
生年月日:1988年7月20日
身長:178cm
ポジション:PG
37歳のベテランポイントガード。Bリーグを代表する選手のひとりで、川崎ブレイブサンダースでは長年キャプテンを務め、チームの象徴として活躍を続けてきた。日本代表のキャプテンを務めた経験も持つ。年齢を感じさせないスタミナと精神力で、オフェンスでもディフェンスでもハッスルし続ける姿勢は健在だ。
「神の左手」と称される勝負所でのシュートやアシストは、クラッチタイムにこそ真価を発揮し、思わず目を奪われる。
コート内外でチームとファンを盛り上げる姿は、まさにBリーグのプロフェッショナル。オールスターでもその存在感は際立っており、過去には茨城開催のオールスターで「水戸黄門」に扮した登場や千葉開催の際はネズミの声マネをしながら天井から降りるプロ顔負けのパフォーマンスで、会場を大いに沸かせたこともある。
2025年1月、千葉県船橋市で開催されたオールスターではスキルズチャレンジで優勝。競技面でもエンターテインメント面でも、欠かせない存在だ。
16日から3日間長崎で開催されるBリーグオールスターに注目!
そして、2026年1月16~18日に開催される「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2026 IN NAGASAKI」では、篠山をはじめ、千葉Jの富樫、渡邊、宇都宮の比江島、SR渋谷のホーキンソン、三河の西田優ら日本を代表するスター選手たちが出場予定だ。
試合だけでなく、選手たちが見せる“祭典ならでは”の姿にも、ぜひ注目してほしい。
文=木村 英里

