5月23日に幕を開けた「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2025-26」で、長崎ヴェルカは琉球ゴールデンキングスと対戦。GAME1は競り負けたものの、GAME2をよ取り返し対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。
過去にアルバルク東京で優勝経験を持つ馬場雄大は「長崎のために」戦うことを誓い、兄弟チームであるV・ファーレン長崎の選手たちも応援に駆けつけた。2戦先勝方式で行われる年間優勝決定戦は、5月26日(火)に運命のGAME3を迎える。
「こうなったら火曜日(GAME3)まで戦います」(長崎・馬場)
10年目のBリーグ王者を決める「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2025-26」(以下ファイナル)の舞台は横浜アリーナ。過去8度のファイナルのうち、6度の歓喜が生まれたこの場所は、まさにBリーグの“聖地”だ。長崎ヴェルカと琉球ゴールデンキングスの頂上決戦は、GAME3までももつれ込んだ。
5月23日のGAME1で先勝したのは、2度目の優勝を狙う琉球だった。B1最強クラスの堅守(平均失点75.0点/リーグ2位)を誇るチームは、ジャック・クーリー(#45/206cm/C)らを軸にリバウンド争いで長崎を圧倒。琉球在籍13シーズン目のフランチャイズプレーヤー・岸本隆一(#14/176cm/PG・SG)が勝負所で4本のフリースローを射抜いて、71-69で接戦を制した。


しかし、5月24日のGAME2では、崖っぷちに立たされた長崎が奮起する。GAME1後の記者会見で、アルバルク東京時代に優勝経験を持つ馬場雄大(#18/196cm/SG・SF)は「もうこうなったら火曜日(GAME3)まで戦います」と宣言。その言葉通り、1クォーターから20-14と先行した。31-29で前半を折り返すと、3クォーターには堅守から連続速攻を繰り出し、52-38と一気に突き放す。4クォーターの追い上げも振り切り、66-60でシリーズを1勝1敗のタイに持ち込んだ。

劣勢から立て直した長崎。馬場は攻防両面で大きな存在感
一夜明けたGAME2で長崎が巻き返した。B1レギュラーシーズンTOP10に選ばれているスタンリー・ジョンソン(#14/198cm/SF)が25得点、イ ヒョンジュン(#5/201cm/SG・SF)が16得点、馬場も10得点を記録。GAME1では17本差をつけられたリバウンド争いも17本も37-40と互角に渡り合い、ペイントエリア内の失点も前日の30点から20点に抑えた。高い強度のディフェンスから、決めるべき選手が得点を重ねるヴェルカらしい展開だった。

GAME1後、馬場は「自分たちのほうが良いチームだと思う。もう一度、フィルムを確認して自分たち(の流れを)を持って来られるように明日戦いたい」とコメント。その言葉通り、長崎は劣勢から立て直してみせた。
その馬場は、この日35分19秒コートに立ち、攻防両面で大きな存在感を発揮。琉球の得点源であるヴィック・ロー(#4/201cm/SF・PF)を1対1のディフェンスで苦しめ、21-9と3クォーターに突き放した時間帯には、自身のスティールからスピードに乗った速攻を決めて流れを引き寄せた。さらに高い跳躍力を生かして何度もリバウンド争いに絡み、4リバウンド以上のインパクトを残した印象だ。

コート内外で積極的にチームメイトとコミュニケーションを取る姿も目立つ馬場は、プレーでもチームをけん引。GAME1後には、若いチームを背負う覚悟ものぞかせていた。
「若い選手たちも多く、経験も浅い選手たちも多いので、こうなるだろうなと思っていました。だからこそ、自分が先頭を切ってプレーしないといけないと思っていたので、まだまだ満足はしていませんけど、明日もチームを引っ張り上げられるようなプレーができたらなと思います」

そしてシリーズをタイに戻したGAME2後、馬場は試合前のチームの様子を「もう負けたら終わりという状況で。でも、すごくいい緊張感の下、戦えていたという印象」と振り返った。
さらに、GAME1で課題となったリバウンド争いを改善できたことについても言及した。
「琉球さんのやりたいバスケで、あからさまに昨日は僕たちがそこ(リバウンド)をやられたというイメージでした。第一にそこを改善する意味でモーディ(ヘッドコーチ)はおっしゃっていたので、試合の入りからみんなが集中して、そこをメインに考えることができたと思います」

創設5年の快進撃「Bリーグができてからの新規参入クラブの雄」
初優勝へ王手をかけた長崎は、今シーズンで創設5年目を迎えた新興クラブだ。ジャパネットグループ傘下として2020年に誕生し、B3参入からB2、B1昇格までを最短で駆け上がってきた。
長崎県初のプロバスケットボールチームであり、同グループにはJリーグのV・ファーレン長崎も存在。さらに2024年には、同社が主体となって「長崎スタジアムシティ」が開業し、サッカースタジアムやホテルとともに、長崎ヴェルカの本拠地・ハピネスアリーナも誕生した。スポーツを起点とした“まちづくり”が長崎で加速している。
ファイナルGAME2では、兄弟チームのV・ファーレン長崎の選手たちが横浜アリーナへ応援に駆けつけ、チームを後押し。Bリーグ公式SNSには、ゴール裏で熱く声援を送る選手たちの姿も映し出されていた。なかでも、V・ファーレンの守護神である198cm・100kgのGK波多野豪が、バスケットボールの会場で熱狂する姿は、ヴェルカならではの光景だった。
2025-26シーズンの長崎の平均入場者数は5,675人(4月13日時点)で、B1全26チーム中6番目に多い。西地区優勝からチャンピオンシップ4連勝でファイナルに進出を果たしたチーム力だけでなく、クラブ運営や地域への浸透という面でも大きな成功を収めている。
22日に行われたファイナル前日会見で、Bリーグの島田慎二チェアマンは長崎を「Bリーグができてからの新規参入クラブの雄」と表現し、こう語った。
「本当に今シーズン素晴らしい補強をして、アリーナも毎回満員で素晴らしいです。オールスターもありましたし、地元の盛り上がりもすごくて。セミファイナルに私も行きましたけど、空港でも街中でも、ヴェルカのTシャツを着ている方がいたり、街の至る所にフラッグが立っていたりということで、本当にわずか5年でここまで地元に根付き、そして強化も進んだというのは本当に希有なクラブだと思っています」
その“希有なクラブ”を背負う馬場は加入3シーズン目。GAME2後のコートインタビューでは、最終戦へ向けて改めて決意を口にした。長崎のため、そして今シーズン限りで現役を引退する狩俣昌也(#4/178cm/PG)のためにーー。勝利への思いは強い。
「僕たちの戦いはまだ終わっていません。長崎のために、マサさんのために最後の最後まで戦うので、泣いても笑っても次が最後の試合。絶対に勝って終わりたいと思います」

運命のGAME3へ。「火曜日にまた頑張ろう」(琉球・岸本)
長崎の初優勝か、それとも琉球の3シーズンぶり2度目の優勝か。運命のGAME3は、5月26日(火)19時5分ティップオフ。
逆王手をかけられた琉球だが、岸本は試合後、ロッカールームでチームメイトへ「もうそこは気持ちの部分ですね。切り替えて、火曜日にまた頑張ろう」と声をかけていたことを明かした。
創設5年目で頂点に挑む長崎か。それとも、2016年9月のBリーグ開幕戦を戦った琉球が、“現行Bリーグ最後の王者”になるのか。10年目のBリーグが迎えるグランドフィナーレ。その結末を、多くのバスケットボールファンが見届けようとしている。

文=大橋裕之
【日程・結果】FINALS
GAME1(5/23)
長崎 69 - 71琉球(観客12,978人)
GAME2(5/24)
長崎 66 - 60琉球(観客13,240人)
GAME3(5/26)
長崎 - 琉球|19:05 ティップオフ
【放送・配信予定】※
・NHK BS5/26 19:00~
【ゲスト】富永啓生,【解説】佐々木クリス【アナウンサー】西阪太志
・バスケットLIVE|バスケットLIVE for Prime Video 18時05分~
【ゲスト】遠藤 祐亮(宇都宮) 【解説】岡田 優介 【実況】永田実
・DAZN 18時57分~
【解説】篠山竜青 【ゲスト】まるぴ
・J SPORTS/J SPORTSオンデマンド 18時50分~
【解説】塚本清彦・アオキックス 【実況】小出アキラ
※その他、J SPORTSオンデマンド、U-NEXT、バスケットLIVE for Prime Videoにて生中継・ライブ配信
※J SPORTSは一部試合が録画放送・配信となる可能性あり。放送・配信予定などの最新情報は各社のWebサイトでご確認ください。

