NBAの2025-26年シーズンの王者を決めるNBAファイナルが、6月4日(日本時間)に幕を開ける。今季はニューヨーク・ニックスとサンアントニオ・スパーズの対戦が決定。前回ファイナルで両者が顔を合わせた1999年には、スパーズが優勝を手にしたが、今回はどのようなドラマが生まれるだろうか。
その『NBA on Prime』で放送されるファイナルの第2戦(日本時間6月6日土曜日午前9:00)にゲストとして出演するのが、俳優の福士蒼汰さんだ。中学生までバスケットボールをプレーし、現地で試合を観戦した経験を持つ福士さんに、試合の見どころを聞いた。

「自分の個性をどうチームに生かすか」バスケが教えてくれたこと

――福士さんは、小さい頃にバスケットボールをプレーされていたと伺いました。

福士:僕は小学校4年生の時に「ミニバス」を始めて、中学校まで計6年間プレーしていました。小学生の頃には、あまりポジションは決まっていませんでしたが、中学に入ってからは背が高かったこともあり、主にセンターを任されていました。

当時の僕は無口で、友達もさほど多くありませんでしたが、バスケットボールをプレーしていたおかげで、チームメイトと交友を深めることができました。

――バスケットボールのおかげで、たくさんの友人と思い出を作れたんですね。福士さんが当時憧れていた、または目標にしていた選手はいましたか?

福士:僕は単純にバスケットボールをプレーすることが好きで、あまりNBAを見たり、漫画を読んだりすることはありませんでしたが、周囲には『スラムダンク』や『黒子のバスケ』を読み耽っている友達が多かったような気がします。

――バスケットボールを通じて学んだことや、現在の仕事に生きているものは何かありますか?

福士:バスケットボールも俳優も個人戦ではなく、チーム戦という点に尽きると思います。

撮影、照明などのスタッフさんや、さまざまな個性を持つ共演者の皆さんと一緒に作品を作り上げていくのが俳優の仕事なので、一人では決して出来ませんし、チームワークも求められる。バスケットボールを通して「自分の個性をどうチームに活かすか」ということに向き合った時間は、今の仕事にも役立っていると感じています。

――試合に負けてしまったり、シュートを決められなかったりした時には、どのように気持ちを切り替えていましたか?

福士:当時は気持ちを切り替えるのが本当に苦手で。僕のパスミスで、訪れた絶好のチャンスをふいにしてしまった試合のことは、いまだに覚えていますし、当時は「なぜドリブルではなく、パスを選択したんだろう?」と本当に落ち込みました。

――俳優の世界でも、オーディションなどの失敗できない場面に出くわすこともあるかと存じます。チャンスに臨む際に、どのように気持ちを整えているのでしょう?

福士:僕はオーディションでもあまり力むことがありませんでしたが、高校時代に取り組んでいた「ダブルダッチ」(2本の縄跳びを跳び続ける競技)に臨むときには、ものすごい緊張感やプレッシャーを味わっていた記憶があります。小さい頃からバスケットボールを続けて、NBAでプレーしている選手のみなさまは、子供の頃からの夢を実現させたからこその凄まじいプレッシャーがあるんじゃないかと思います。

八村塁選手・渡邊雄太選手の日本人対決を生観戦

――福士さんはNBAを観戦したことがあるようですね。

福士:僕はNBAに関する知識は初心者ですが、選手のプロフィールを見たり、情報を調べたりしながら試合を観るのが本当に楽しくて。

以前にアメリカに出向いた際に、八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)と当時NBAでプレーしていた渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)の対決を観ることができました。大観衆の中でプレーするお二人の姿を見て、「たくさんの期待を背負っているんだな」と改めて感じました。

その試合には、レジェンドのレブロン・ジェームス選手(ロサンゼルス・レイカーズ)も出場していて。ダンクを決めてアリーナを熱狂させる八村塁選手の姿にも感動しました。

――惜しくもチームはオクラホマシティ・サンダーに敗れてしまいましたが、八村選手のプレーオフでの活躍は素晴らしいものがありました。

福士:そうですね。日本で生まれ育った八村選手は、海外に出ると “インターナショナル”な選手として見られているような気はしていて。個人的に「内心は複雑な葛藤を抱えていらっしゃるのかも?」と感じることはありました。

――NBAのアリーナでは、試合はもちろん、それ以外にもさまざまなエンターテイメントが披露されます。福士さんが俳優として刺激を受けた場面や、シンパシーを感じた点はありますか?

福士:試合に臨む選手たちの心境は、俳優で言うと、「舞台に臨む感覚」に近いのかな、と思っています。目の前に多くのお客さまがいらっしゃる中で、ミスや失敗は許されない。プレッシャーを感じつつも、駆け引きのような感覚で臨む点は、共感できるところがありました。

画像: 八村塁選手・渡邊雄太選手の日本人対決を生観戦

ウェンバンヤマ時代の幕開けか、1973年以来の優勝か 

――今シーズンもファイナルを残すのみになりましたが、福士さんの注目選手を聞かせてください。

福士:やっぱりスパーズのビクター・ウェンバンヤマ選手です。まだキャリア3年目の22歳と若く、頭角の現し方も衝撃的でした。

どのポジションもこなせて、色々なプレーができる。今、最も勢いのある選手ですし「このまま突き進むんじゃないかな?」と、個人的には思っています。

対するニューヨーク・ニックスのジェイレン・ブランソン選手は、どこか古典的で、ボールを持つと圧を感じるようなPGです。対極なプレーを見せる両者の顔合わせは、“世代対決”のようにも感じられて。本当に楽しみにしています。

画像: NBAファイナル第1戦でシュートを放つスパーズのビクター・ウェンバンヤマ Photo by Gregory Shamus/Getty Images

NBAファイナル第1戦でシュートを放つスパーズのビクター・ウェンバンヤマ Photo by Gregory Shamus/Getty Images

――もしかしたら、今後数十年語り継がれるような伝説の瞬間を目撃することになるかもしれません。

福士:そうですよね!どちらのチームが勝っても、歴史的な瞬間になると思います。

――おそらく試合が行われるアリーナも、相当な盛り上がりを見せることでしょう。

福士:僕がアリーナに行った時に印象に残っていることは、観客の熱量です。ファイナルでは、会場のさらなる一体感にも期待したいです。

――ファイナルはどのような結果になると思いますか?

福士:個人的には、久しぶりにニューヨーク・ニックスに勝ってもらいたいなと思います。

ニューヨーク・ニックスは、1946年に設立されたNBAのオリジナルチームですが、まだ2回しか優勝できていないチームです。最後にファイナルに進んだのは1999年で、その時に対戦したのが、今回と同じサンアントニオ・スパーズでした。(当時はスパーズの4勝1敗)

「これは本当に歴史的だな」と思っていて。ニックスはその時の汚名を返上し、1973年以来の優勝を手にすることができるのか。それともウェンビー(ビクター・ウェンバンヤマ選手の愛称)時代の華々しい幕開けなのか。注目の瞬間を見守りたいなと思います。

画像: NBAファイナル第1戦を前に、地下鉄もニックス色となり盛り上がるニューヨークの街。写真はジェイレン・ブランソンの絵とともに立つアーティストのポール・ジョンソンさん Photo by Adam Gray/Getty Images

NBAファイナル第1戦を前に、地下鉄もニックス色となり盛り上がるニューヨークの街。写真はジェイレン・ブランソンの絵とともに立つアーティストのポール・ジョンソンさん Photo by Adam Gray/Getty Images

NBAの魅力を知ってもらえたら

――『NBA On Prime』で放送されるファイナルの第2戦に、福士さんもゲストで出演されます。

福士:「NBAを初めて観る方々にも、魅力を知ってもらえたら嬉しいです。

――福士さんの出演きっかけに、初めてNBAをご覧になられる方もいらっしゃると思うのですが、試合に向けた意気込みを聞かせてください。

福士:実況席には、競技について詳しい方がいらっしゃるので、気になったことを質問しながら、ルールの解説を交えつつ、選手のプロフィールやその魅力を掘り下げていくとか……。普段バスケットボールに触れる機会が少ない方々にも、見ていただけるようなわかりやすい番組作りができたらと思っています。

――バスケットボールは、時間の制約に関するルールが多いような気がします。

福士:確かに!時間の厳しさがありつつも、早い展開で試合が進むところがバスケットボールの魅力であり、醍醐味だと思うので、僕がNBAの入り口となり、案内役としてその楽しさを伝えられたらなと思います。僕の出番は第2戦となりますが、ぜひ第1戦からPrime Videoで見ていただけたら嬉しいです。

取材・文:白鳥 純一

衣装協力:シャツ2万2000円/ポール・スミス(ポール・スミス リミテッド☎︎03-3478-5600)、その他/スタイリスト私物
スタイリスト:菊池陽之介Yonosuke Kikuchi

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