そして秋、バスケットボールシーンはいよいよ新シーズンへ突入する。NBAの開幕は10月21日。代表組のBリーガーたちは、9月22日に開幕する新フォーマットの「Bプレミア」での戦いに挑む。
「皆さんの期待に応えることができて良かった」(河村)
男子日本代表は「FIBA バスケットボールワールドカップ 2027 アジア地区予選」2次ラウンドのWindow 4(8月27日サウジアラビア戦、8月31日カタール戦)で2連勝を収めた。八村塁と河村勇輝のNBA組がそろって出場し、Bリーグ組と融合した「史上最強」のチームは、前評判通りの強さを見せつけた。
アウェーでのサウジアラビア戦では、106-78で快勝。ディフェンスで圧力をかけて相手から15ターンオーバーを誘い、攻撃では八村が両チーム最多の29得点を挙げてチームをけん引し、河村は9アシストをマークした。さらに途中出場の富永啓生が14得点、佐々木隆成が8得点を挙げるなど、ベンチポイントでも37対8と層の厚さを見せつけた。
続く、トヨタアリーナ東京で行われたカタール戦では、相手をさらに圧倒する。最大59点差をつける123-70で勝利を収め、会場に集まった9,000人超の大観衆を沸かせた。この一戦では、8月の強化試合を欠場していた渡邊雄太が復帰。八村、河村らを含む完全体の布陣が披露され、全員得点で最高の一体感を印象づけた。
カタール戦後のコートインタビューで、八村は次のように語った。
「久しぶりに日本でプレーしてすごく嬉しかったです。また、皆さんの前で試合をして勝つことができて、本当に良かった」

また、2戦で計19アシストの河村も手ごたえを口にした。
「すごく大事な一戦になると思っていたので、まずは日本のファンの皆さんの前で勝利ができたこと、また画面越しで応援されている皆さんの期待に応えることができて良かった」
11月に出場権獲得なるか「ここで切らすことなく」(渡邊)
Window 4の2連勝により、日本代表はグループFで6勝2敗として首位に浮上した。勝ち星で並んだ場合は、得失点差が順位決定に適用される中、同率のレバノンをそのスタッツで上回った形だ。
次戦となるWindow 5は、11月26日に首位攻防戦となるレバノン代表と、11月29日にグループ5位に(4勝4敗)のカタール代表と、いずれもアウェーで対戦する。結果次第では、本大会への出場権を獲得できる大一番にもなる。
ジョシュ・ホーキンソンは、カタール戦後に「次のWindowは、ワールドカップの切符を取る(可能性の高い)大事な試合がある。切符を取れるように頑張りたい」と先を見据えて意気込みを語った。
渡邊雄太も「本当にプレーしていて楽しい」とチームに手ごたえを感じながらも、勝って兜の緒を締めた。

「次はアウェー2連戦でかなりタフになると思いますが、また日本の良いバスケットを皆さんにお見せできたらと思います。良い雰囲気をここで切らすことなく、今後も継続していけるよう頑張るので応援よろしくお願いいたします」
NBAは10月21日開幕。八村は新天地へ。河村は3年目の挑戦に
Window 5の期間はNBAのレギュラーシーズン中となるため、八村と河村の招集は難しい情勢だ。
八村は今オフ、ロサンゼルス・レイカーズからロサンゼルス・クリッパーズへ移籍。昨シーズンはレイカーズで68試合出場し、1試合平均28.3分で11.5得点を記録。プレーオフでは全10試合に出場し、平均38.6分で17.5得点をマークしていただけに、新天地でも大きな活躍が期待される。彼はカタール戦後、日本代表のチームメイトへ「次の(Window 5の)2試合に勝って、ワールドカップの切符を取ってもらいたい」とエールを送った。
また、八村と同じクリッパーズとエグジビット10契約(無保証の最低年俸)を結んだ河村も、NBA挑戦3シーズン目を迎える。まずはトレーニングキャンプからNBAと下部のGリーグを行き来できる「2ウェイ契約」への昇格を目指すことになるだろう。カタール戦後にはファンの前で、改めて決意も口にしていた。
「チームとしては日本代表がワールドカップでアジア1位になってオリンピックに出場する。そしてオリンピックで勝つことが一番大事だと思っているので、そのためにアメリカでしっかりと修行して、また強くなって戻ってきたいと思います」
NBAの2026-27シーズン開幕は、日本時間の10月21日。世界最高峰で戦う2人の姿に注目が集まる。
いよいよBプレミアが開幕。馬場、渡邊、富樫らの初戦は?
Window 5でNBA組が不在となる中、ワールドカップ切符の獲得にはBリーグ勢の活躍が不可欠となる。
9月22日からは、「Bプレミア」が開幕する。外国籍選手が同時出場できるオンザコートの条件が撤廃されるなど、日本人選手にはより厳しい競争環境が求められる。代表選手たちが所属クラブどのようなスタートを切るのか、注目のオープニングカードをチェックしよう。
まず、9月23日に馬場雄大(長崎ヴェルカ)が、ホームで島根スサノオマジックと対戦。Window 4では得点こそ少なかったものの、貢献度を示す「+/-」はサウジ戦で「+36」、カタール戦で「+31」という突出した数字を残した。昨季のリーグ初優勝に続くBプレミア制覇へ、彼の力は欠かせない。
25日には代表対決が実現する。東京サンロッカーズ対千葉ジェッツの一戦だ。本拠地を渋谷区から江東区のトヨタアリーナ東京へ移した東京SRは、新たな歴史の一歩を刻む。ホーキンソンとのマッチアップに注目が集まるほか、千葉Jの富樫勇樹も昨季のケガから万全の状態で新シーズンへ臨む。また、三遠ネオフェニックスから茨城ロボッツに移籍した吉井裕鷹は、ホームで古巣と対戦。かつての同僚・佐々木と敵同士として顔を合わせる。

26日は、レバンガ北海道の富永啓生と、シーホース三河の西田優大が激突。三河から仙台89ERSに移籍したシェーファー・アヴィ幸樹は、ホームで秋田ノーザンハピネッツ戦を迎える。宇都宮ブレックスの高島紳司は、横浜ビーコルセアーズ戦で初戦を迎える。名古屋ダイヤモンドドルフィンズの司令塔・齋藤拓実は、アウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦。川崎の指揮官は、日本代表ヘッドコーチ・桶谷大氏が務める。
Bリーグの2026-27シーズンのテーマは「シン・バスケ」。今夏、日本のバスケットボールに新時代をもたらせた選手や指導者たちが、Bプレミアでどんなプレーを見せてくれるのか。新たな歴史がはじまる瞬間を心待ちにしたい。
文=大橋裕之
