これは、私が子どものミニバスチームで実際に体験した話です。夏休み最終日にあった子ども達から保護者へのサプライズを通して、親子の絆を感じた出来事を書きました。

保護者も一緒に駆け抜けた夏休み

夏休み。子ども達にとっては待ちに待った長期休みですが、スポーツをしている家庭にとっては、いつも以上に慌ただしい毎日が始まります。

わが家の子どもが所属するミニバスチームでも、練習時間が1時間早まったり、普段とは違う体育館で練習したりと、保護者が動く場面がぐっと増えました。

子ども達は真夏の体育館で汗だくになりながら、毎日一生懸命ボールを追いかけます。
その姿を支えるため、保護者も送迎や練習のサポートなど、それぞれができることを分担しながら夏を駆け抜けていました。

そんな日々が続き、夏休みも終盤に差しかかる頃には、保護者にも少しずつ疲れが見え始めます。
「今日の夜ご飯、もう考えられないね」「わかる。うちも簡単なもので済ませようかな」
そんな何気ない会話を交わしながら、「あと少しだから頑張ろうね」と励まし合っていたのを覚えています。

そんな夏休みも、いよいよ最終日。
練習が終わり、あとはいつものように挨拶をして解散です。いつもなら、キャプテンの「ありがとうございました!」で練習が終わります。

ところが、その日は違いました。
保護者の前に立ったキャプテンは、少し恥ずかしそうな様子で、なかなか言葉を発しません。体育館に、いつもと少し違う空気が流れます。

「どうしたんだろう?」

保護者同士で顔を見合わせていると、突然、大きな声でこう言ったのです。
「夏休みの練習ー!!支えてくれて、ありがとうございましたー!」
すると子ども達全員が声をそろえて、
「ありがとうございました!!」その声が体育館いっぱいに響くと、子ども達はそれぞれ自分の保護者のもとへ駆け寄ってきました。

私のところへ来た息子は、少し照れくさそうに笑いながら、
「毎日練習に送ってくれて、ありがとう」そう伝えてくれました。
ふと周りを見ると、「ビブスを忘れちゃって、ごめんね」と頭を下げる子。
お母さんに、感謝を伝え、そのままぎゅっと抱きしめられる6年生。
体育館のあちこちで『ありがとう』が飛び交い、目に涙を浮かべる保護者の姿がありました。

子ども達は、毎日の送迎や練習のサポート、応援を当たり前だと思っているわけではありませんでした。
大人が思っている以上に、ちゃんと見てくれていたのです。
あの日、子ども達からもらった『ありがとう』は、今でも忘れられない夏の思い出です。

【体験者:30代・女性、回答時期:2026年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材または体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:サトミ
学生時代は約10年間スポーツに打ち込み、現在は2児を育てる30代。競技経験と保護者としての経験を生かし、スポーツの魅力や親子の成長、スポーツの現場で生まれる人間ドラマを中心に執筆している。

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