私(筆者)が大学1年生の夏休み、所属していたバレーボール部での出来事。周りの部員との実力差に悩む日々を送っていた。スパイク練習でも思ったように打てない私に、OBが近づいてきて一言。その一言が自身の殻を破るきっかけに……!?

再び足を踏み入れたバレーボールの世界

中学時代にバレーボール部、高校時代に陸上競技部に所属していた私は、大学生になりもう一度バレーボールをやってみようと決め、入部。

しかし、先輩も同学年も小・中・高と長年バレーボールを経験してきている強豪校出身の部員ばかりだった。

そのような環境で練習したことにより私の技術は著しく向上したが、経験年数が浅い自分が足手まといになっているのではないかと日々悩みながら練習に参加していた。

自信がつかないまま迎えた夏休み練習

気づけば夏休み。夏休みになると、OB・OGが練習に顔を出す頻度が増えるのである。様々なアドバイスをもらえるのでありがたい一方、物言いがきつく練習の空気が常にピリピリする傾向にあったため、OB・OGが練習に来る日は日頃よりもさらに気を引き締め、粗相のないように気を遣いながら過ごしていた。

そして始まったスパイク練習。しかし思うように打てず、当時の私に自信なんてものは全くなかった。視線を感じふと顔を上げると、日頃から怖いと感じていたOBのA先輩が睨むように見ていた。すると次の瞬間、勢いよくこちらに近寄ってきた。きっと何か言われるんだ……と思った私は思わず俯いた。

ラインギリギリの長いスパイク

「頭を使うんだ」

頭上からA先輩の声が聞こえた。怒られるものだと思っていた私は驚いたが、先輩はこう続けた。

「身長がそれほど高くないのだから、ラインギリギリの長いスパイクを打つ練習をとにかくしなさい。強い球でなくてもいい、そのうちそれが強みになる。ほら、やってみろ」

それから私の練習に一対一で付き合ってくれた。厳しいことばかり言う先輩ではあったが、指摘する点は非常に的確で分かりやすく、上達していく手応えを感じるようになった。

自分は自分の戦い方で進むのみ

その後開催された大会。私が取った点数のほとんどが、「ラインギリギリの長いスパイク」だった。A先輩の一言がきっかけで、周りの部員に負けていないと思える武器を手に入れたのであった。

強くて速い球を打っても、緩く長い球を打っても、床に落ちれば同じ一点である。たとえ高身長でなくても、経験年数が浅くても、戦力になれる。私に合った戦い方を見つけ、突破口を開いてくれたA先輩には今でも感謝している。

【体験者:30代・女性、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:村木あすみ
学生時代からスポーツ・部活動に打ち込んできた30代2児の母。また、公立中学校教員として勤務した経歴もあり、数多くの部活動にも携わってきた。自身のスポーツ経験や観戦、そして教育現場で見聞きしてきたリアルなエピソードをコラムとして執筆している。

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