サブフォーを目指しペースを上げた練習
30代会社員のRさんは、ほぼ毎日7キロを走るランニングが趣味の市民ランナーです。すでにフルマラソンの大会にも出場経験があり、現在はさらに上のレベルである4時間切り、いわゆる「サブフォー」の達成を目標に掲げて熱心に練習に励んでいます。
最近は本番でのタイムを伸ばすために、いつもより意図的にペースを上げて日々の走り込みを行っていたそうです。目標に向かって努力を重ねる姿勢は素晴らしいものですが、そのペースアップが思わぬ不調を引き起こすことになります。
改善しない足の張りとケガへの不安
練習のペースを上げたことで、Rさんの体には明らかな異変が現れ始めました。
ふくらはぎ周辺がひどく張るようになり、走る前と後にどれだけ入念にストレッチを行っても、足の強い張り感が抜けなくなってしまったのです。
明らかなケガらしい症状はまだ出ていないものの、このまま無理をして走り続ければ本格的な故障に繋がる危険な状態でした。そのため、彼は頻繁に筆者の治療院へメンテナンスに訪れ、痛みの相談をしていました。
寿命を大きく超えていた練習用シューズ
いくら体のケアをしても張り感が改善しないため不思議に思っていたある日の帰り際、筆者がふとRさんの足元を見ると、練習用として履いているランニングシューズのソールが明らかにへたっていました。
話を聞くと、本番用のシューズはもったいないからと大切にしまっており、同じ練習用シューズをすでに1000キロほど使い続けていたのです。
以前スポーツシューズメーカーの人から聞いた話によれば、アスファルトの上を走る場合のシューズの寿命は400キロが限界とのこと。彼のシューズはその耐久力の限界を大きく超えていました。
新しいシューズで足の張りが劇的に改善
足の張りの根本的な原因は、シューズの耐久力が落ちてクッション性が失われていることにあると気付いた筆者は、Rさんに衝撃吸収性に優れた新しいシューズを買って試すようアドバイスを送りました。
すると、練習後の疲労感はあるものの、これまで悩まされていた足の張りは見事になくなったのです。
熱心な市民ランナーほど自分自身の体のメンテナンスばかりに気を取られがちですが、体を支える道具の消耗という盲点を見落としてはいけないことを教えてくれる教訓エピソードです。
【体験者:30代・男性、回答時期 : 2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:おかもとたかひで
鍼灸師の国家資格を保有し、スポーツにおける故障の治療を中心に活動している。特に高校生の部活動でのケガからプレー復帰までの道のりや、ケガ予防を含めたコンディショニング指導に注力しており、過去にはオリンピック選手の治療に携わった経験も持つ。また、自身も千葉ロッテマリーンズの試合観戦に頻繁に足を運んでおり、球場での熱気や、ファンと選手の間で生まれるリアルなエピソードを交えたコラム執筆も行っている。

