これは、筆者の知人で市民ランナー歴5年のHさん(40代男性・会社員)に聞いた話です。Hさんはフルマラソンでサブ4(4時間以内の完走)を目指し、有名選手の練習量を参考に走り込みましたが記録は伸びるどころか落ち続けました。不調の原因を突きつけたのは、ランニングクラブのコーチが撮影したフォーム動画でした。練習量を増やしても結果が出ずに悩む多くの市民ランナーに通じる体験談を、本人の視点でお届けします。

サブ4を目指して月間走行距離を一気に2倍へ

昨年の初夏、フルマラソンでサブ4を目指していた私は、動画で見た有名選手の練習メニューを参考に、月間走行距離を150kmから一気に300kmへ増やしました。

3カ月走り込んでも10kmのタイムが落ちていった

3カ月続けても記録は伸びず、10kmのタイムはむしろ落ちていくばかりでした。ふくらはぎの張りも抜けず、朝起きた時から脚が重かったのです。それでも私は「まだ量が足りない」と考え、さらに距離を増やそうとしていました。

体験会で撮影したフォーム動画に映っていた原因

転機となったのは地元ランニングクラブの体験会でした。50代男性のコーチに横からフォームを撮影してもらいました。再生すると、走り始めは問題ないものの、10分を過ぎたあたりから腰の位置が落ち、足が体の前で接地していたのです。

練習量不足だと考えていた私に、動画が示したのはまったく別の原因でした。コーチからは「足りないのは距離ではなく、その姿勢を保つ筋力と休みです」と指摘され、参考にした選手の練習も、補強と休養があって初めて成立していると説明を受けました。

月間走行距離を200kmに減らして挑んだ半年後の大会

月間走行距離を200kmに減らし、週2回の体幹補強と完全休養日を組み込んだ練習に切り替えた私は、半年後の大会で目標のサブ4を達成したのです。

まとめ

Hさんは今、同じクラブで、練習量を増やそうとする初心者に当時の失敗談を話しています。真似すべきだったのは練習量ではなく、量を支える土台だったと、筆者も気付かされました。

記録が伸び悩んだ時は、距離を増やす前に走る姿を横から撮影し、フォームを確かめるのも一つの方法です。

【体験者:40代・男性、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:Yutel_06
幼少期からさまざまなスポーツに親しんできた、10代の現役学生ライター。合気道やテニス、アーチェリーなど、ジャンルの異なる競技と向き合ってきた。自身の経験に加え、周囲にもスポーツに取り組む友人や知人が多く、競技の裏側や選手ならではの悩み、恋愛、人間関係など、リアルなエピソードに触れる機会がある。そうした実体験や身近な声をコラムとして執筆している。

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