曜日ごとに決まっていたグラウンドの使用範囲
私が陸上部の主将になったのは高校2年の秋でした。グラウンドは陸上部とサッカー部、野球部の3つで共用し、曜日ごとに使える範囲が決められていたのです。
割り当てどおりに練習を回すことが、主将である私の役目だと考えていました。直線の走路が使える日はタイムを計る練習に充てる予定でした。
走路の内側に置かれたゴール
陸上部に走路が割り当てられた日でも、サッカー部がゴールを走路の内側に置いたまま、全面を使ってゲームを始める日が続きました。ボールが飛んでくるため、部員はコースの外側へ避けて走るしかなく、タイムを計ることはできませんでした。
私が声を掛けると、返ってきたのは「もうすぐ終わるから」という一言でした。その日は、最後まで走路が空かなかったのです。
1カ月分の記録が示した「8割」という数字
私は言い争う代わりに、その日から使用状況をノートへ記録し始めました。日付、時間、走路が使えたかどうか、避けた回数などです。1カ月分がたまった頃に顧問を通じて体育科の教員へ提出すると、割り当て日の8割で走路が使えていなかったことが数字で示されたのです。
話し合いの席に呼ばれたサッカー部の主将は、記録に目を落として「そこまで詰まっているとは思っていなかった」と認めました。
翌週から変わった練習環境と自己ベスト
翌週から、走路の内側にゴールを置かないルールと、練習前に両部の主将が使用範囲を確認する手順が決まりました。私たちはようやく、タイムを計る練習に戻れたのです。
冬の記録会で、私は自己ベストを更新しました。卒業前にはノートの取り方を後輩へ引き継ぎ、記録は今も続いています。感情でぶつかるより、事実を積み上げた方が相手も動くのだと学んだ半年間でした。
まとめ
Fさんが持ち出したのは感情ではなく、1カ月分の事実でした。数字によってサッカー部の主将の受け止め方が変わり、翌週には具体的な決まりができています。練習環境で困っているなら、使えなかった日を書き留めるところから始められます。
【体験者:20代・男性、回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:Yutel_06
幼少期からさまざまなスポーツに親しんできた、10代の現役学生ライター。合気道やテニス、アーチェリーなど、ジャンルの異なる競技と向き合ってきた。自身の経験に加え、周囲にもスポーツに取り組む友人や知人が多く、競技の裏側や選手ならではの悩み、恋愛、人間関係など、リアルなエピソードに触れる機会がある。そうした実体験や身近な声をコラムとして執筆している。

