これは、筆者の友人、佳代(仮名)の息子が通う少年野球チームの話です。
6年生が最後の試合を終え、下級生から手紙とボールのプレゼントを渡される。
そんな胸熱の光景を、拍手で見守る保護者だが──?

6年生最後の試合を全員で見届ける

小学4年生の息子が所属する少年野球チームで、6年生最後の試合が行われた。
この日は6年生の保護者も誰一人欠けることなく、グラウンドに集まっていた。

試合を終え、解散前の最後の挨拶へ。
監督、コーチ、6年生、そして下級生と順番に挨拶が続き、これまで一緒に練習してきた時間を思うと、自然と胸が熱くなった。

下級生から6年生へ手紙とボール

最後に、下級生たちから6年生へ手紙とボールが手渡された。
保護者たちは、その様子を拍手しながら見守っていた。

「下級生たち、6年生へのプレゼント用意してたんだ」
私もそう思って、子供たちの尊さにジーンときていた。

ところが、手紙とボールを受け取った6年生たちは、その場で後ろを振り返った。
視線の先にいたのは、ずっと応援してくれていた自分たちの保護者だった。

6年生から保護者へ

すると、キャプテンが保護者に向かって声を上げた。
「お父さん、お母さん、いつもありがとう!」

続いて、6年生全員が声をそろえる。
「ありがとう!」

そして、先ほど下級生から受け取った手紙とボールを、それぞれ自分の保護者へ渡し始めた。
ここで初めて、私たちは気づいた。
下級生が渡していた手紙とボールは、実は6年生が保護者へ贈るために用意したものだったのだ。

サインボールに込められた感謝

ボールには、それぞれ保護者への一言が添えられていた。
感謝を込めた、世界に一つだけのサインボールだ。

受け取った保護者たちは、泣きながら笑っていた。
中には感情を抑えきれず、号泣している人もいた。

私自身、6年生の保護者ではない。
それでも、その光景を見ているだけで涙がこみ上げ、こらえるのに必死だった。

後から聞いた話では、監督が6年生に「最後に保護者へ感謝を伝えよう」と助言したのがきっかけだったという。
6年生たちはみんなで相談し、手紙とサインボールを用意することに。
そして、少しの遊び心から、下級生にも協力してもらったそうだ。

最後の最後まで、6年生らしい心遣いと遊び心が詰まったサプライズだった。
ずっと応援してくれた保護者へ、最後に自分たちの言葉で「ありがとう」を伝えた姿が、とても印象に残った出来事だった。

【体験者:30代女性・主婦、回答時期:2026年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:maki
学生時代からスポーツ・部活動に打ち込んできた40代。現在はサッカースクールに通う子供の親として、スポーツと関わりを持つ。自身の経験談はもちろん、チームメイトや友人・知人から聞いたスポーツにまつわるリアルなエピソードを中心に取材し、スポーツの現場で起きた人間ドラマをコラムとして執筆している。

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