気分転換に始めたアーチェリー教室
デザイン系の仕事を在宅で行う40代女性のMさんは、マンションの3階で1人暮らしをしています。在宅ワークが中心で外出する機会が少ないため、家の中に鉢植えで緑を増やしたりして仕事のリフレッシュをしていました。ある日のこと、テレビで弓道をやっているのを見て無性に自分もやってみたくなりました。さっそく調べてみましたが、家の近所には初心者に弓道を教えてくれるような場所は見つかりません。そこで代わりにアーチェリーの教室を見つけたので、思い切って入会してみることにしました。
悪質な覗き被害とアーチェリーの楽しさ
アーチェリーを始めてみると、初心者でもしっかりと的へ向かって矢が飛んでいくので、面白くてすっかりハマっていきました。もし弓道を選んでいたら、矢がまともに飛ぶようになるまで時間がかかり、ここまでのめり込めなかったかもしれません。そんな趣味を楽しむ一方で、Mさんは深刻な悩みを抱えていました。それは隣人による悪質な覗き行為です。ベランダ側にある隣の一軒家から、見知らぬおじいさんがジロジロと覗き込んでくることに気がついたのです。家にいる時間が長いため、その被害は精神的に大きな負担となっていました。
カーテンを開けたい切実な願いと奇策
覗かれるのが嫌ならカーテンを閉めっぱなしにすればいいのですが、その窓は部屋に日光を取り込むための重要な場所でした。日中は明るい日差しを部屋に入れたいと考えたMさんは、なんとかして覗き魔を撃退できないかと頭を悩ませていました。ふと、そこで習い始めたばかりのアーチェリーを使ったある解消法を思いつきます。ある日、Mさんはあえてベランダに出て、隣の一軒家から見えるようにアーチェリーの弓をスッと構えてみせました。
無言のプレッシャーが見事に成功
もちろん、実際に矢を放つわけではありません。しかし、弓を構えるその姿は「あなたの覗き行為にはもう気づいている」「私は泣き寝入りするような弱い人間ではない」という、強烈で無言のプレッシャーを与えるには十分すぎるほどの絶大な効果を発揮しました。その行為がよほど恐ろしかったのか、その日を境に隣のおじいさんからの覗き行為はピタリとなくなり、無事に見事な解決を迎えたのです。外に出てリフレッシュするために始めた新しい趣味が、平穏な日常を守るための手段として役立ったという、スカッとするエピソードです。
【体験者:40代・女性、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:おかもとたかひで
鍼灸師の国家資格を保有し、スポーツにおける故障の治療を中心に活動している。特に高校生の部活動でのケガからプレー復帰までの道のりや、ケガ予防を含めたコンディショニング指導に注力しており、過去にはオリンピック選手の治療に携わった経験も持つ。また、自身も千葉ロッテマリーンズの試合観戦に頻繁に足を運んでおり、球場での熱気や、ファンと選手の間で生まれるリアルなエピソードを交えたコラム執筆も行っている。

