抽選に外れた同僚と、ケガで欠場を決めた私
昨年の秋、私は社内ランニング部の仲間と、地元のハーフマラソン大会に申し込んでいました。人気の大会のため参加者は抽選で決まり、同じ部の同僚Kさん(40代男性)は落選して以来、ずっと悔しがっていたのです。
大会の2週間前、私は練習中に足首をひねり、出場を諦めました。
「どうせ走らないなら」と頼まれたゼッケン
欠場を知ったKさんから「どうせ走らないなら、ゼッケン譲ってよ」と頼まれました。大会規約でゼッケンの譲渡が禁止されていると伝えて断ると、Kさんは「みんなやってるって」と不満顔を見せたのです。
大会当日、応援に行った私は、スタート地点にKさんの姿を見つけて驚きました。Kさんは、仕事の都合で出場できなくなった知人のLさん(50代男性)から、ゼッケンを借りていたのでした。
50代の部で3位の速報、表彰式前の本人確認
Kさんは好調に走り、ゴール後には「50代の部で3位」という速報が出ました。本人は40代でしたが、記録はLさんの年代で計測されていたのです。
表彰式の前、大会本部のスタッフが本人確認のため参加通知書の提示と年齢を求めると、Kさんは答えに詰まり、やり取りの中でゼッケンの譲り受けが発覚しました。記録は、即座に取り消されたのです。
繰り上げ3位は、真面目に練習してきた先輩
繰り上げで3位になったのは、同じランニング部の先輩Tさん(50代男性)でした。真面目に練習を続けてきたTさんが表彰台で照れながら手を振る姿を、部員全員が拍手で祝いました。
Kさんは部員と私に謝罪し、翌年は自分で抽選に申し込んで、正規のゼッケンで完走したのです。
まとめ
「少しくらいなら」というズルは、思いがけない形で自分に返ってくるものです。次の大会に申し込む際は、ゼッケンの扱いを含めた大会規約を一度確認してください。
【体験者:30代・男性、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:Yutel_06
幼少期からさまざまなスポーツに親しんできた、10代の現役学生ライター。合気道やテニス、アーチェリーなど、ジャンルの異なる競技と向き合ってきた。自身の経験に加え、周囲にもスポーツに取り組む友人や知人が多く、競技の裏側や選手ならではの悩み、恋愛、人間関係など、リアルなエピソードに触れる機会がある。そうした実体験や身近な声をコラムとして執筆している。

