試合中、相手が内野フライを落としたのを見て「ラッキー!」と喜んだ保護者のAさん。直後の判定に驚き、大混乱した理由とは──?
チャンス! 盛り上がる保護者席
少年野球の試合で、息子のチームを応援していたときの話。
その日は両チームともよく声が出ていて、保護者席もかなり盛り上がっていた。
試合中、息子のチームが攻撃。
ノーアウト、一・二塁というチャンスで、打者が内野へ高いフライを打ち上げた。
「あー、取られる……」と思って見ていると、守備の選手がボールの下に入ったものの、なぜか捕らずに落とした。
すると、隣にいた保護者のAさんが突然、
「よっしゃー! ラッキー! チャンス!」
と大声で叫び、保護者席は盛り上がっていた。
確かにボールは地面に落ちた。走者も進める。Aさんは「いけー!」と声を上げた。
審判の声に、困惑する保護者席
その瞬間だった。
「インフィールドフライ!」
審判の声がグラウンドに響いた。
一瞬、保護者席が静まり返った。
「……え?」
さっきまで喜んでいたAさんも、状況が理解できていない様子。
打者はアウトになり、何事もなかったように次のプレーへ移ろうとしている。
「いやいや、今ボール落ちたよな?」
私を含む、他の保護者たちも困惑している。
捕っていないのにアウト。どう見ても不思議な判定だった。
「インフィールドフライ」というルール
そして、さっきまで「ラッキー!」と喜んでいたAさんが大声で一言。
「何でアウトやねん!?」
思わず周囲から笑いが起きた。
すると別の保護者が、
「インフィールドフライっていうルールやで」
と教えてくれた。
内野手が普通に捕球できるフライが上がった場合、一定の条件では審判がインフィールドフライを宣告し、打者をアウトにするルール。
守備側がわざとボールを落として、走者をアウトにするようなプレーを防ぐためのものらしい。
「そんなルールあるん!?」
さっきまで大喜びしていたAさんは、今度は本気で驚いていた。
知らなかったのは大人だけだった
試合後、その話を子どもたちにすると、
「え? インフィールドフライやろ?」
と、あっさりした反応。
どうやら子どもたちは、ちゃんとルールを知っていたらしい。
しかし野球経験がない保護者たちにとっては、知らないルールに大混乱だった。
子どもたちは知っていたルールを大人が知らず、試合後もしばらく保護者たちの笑い話になった。
【体験者:30代女性・主婦、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


