相手チームの保護者が行き過ぎた応援で審判から注意を受けてしまった。息子が偶然聞いた、その保護者の息子の本音とは──?
相手チームから響く大きな声
小学4年生の息子が所属する少年サッカーチームでの出来事。
ある日の試合中、相手チームの保護者席から、ひときわ大きな声が響いていた。
「何やってんだ!」
「そこはシュートだろ!」
最初は熱心な応援だと思っていたが、次第に味方選手へのダメ出しが増え、こちらの選手がミスをすると「よっしゃ!」と大喜びする始末。
周囲の保護者も困惑していたが、その男性はお構いなしだった。
ついに審判が試合を中断
息子は、その男性の子どもであるAくんとマッチアップしていた。
試合が進むにつれ、男性の声はますます大きくなり、こちらの選手が接触プレーで転倒すると「大げさだろ! 当たってねーよ!」と叫んだ。
すると、審判が笛を吹いて試合を一時中断。
相手チームのコーチを呼び、保護者の言動について注意するよう伝えた。
コーチが男性のもとへ向かうと、それまで騒がしかった保護者席は一気に静まり返った。
相手選手が漏らした「最悪や」
試合再開後、Aくんはどこか元気がなく、プレーにも集中できていない様子だった。
後から息子に聞いた話では、審判が試合を止めた際、すぐ近くにいたAくんが「最悪や……」とつぶやいていたという。
息子が「大丈夫?」と声をかけても、Aくんは苦笑いするだけだったそうだ。
相手チームの選手とはいえ、息子も気の毒に感じたらしい。
試合後に見えた親子の気まずい距離
試合終了後、相手チームの保護者たちが集まる場所に、先ほどの男性がいた。
少し離れたところにはAくんの姿もあったが、父親と目を合わせようとせず、うつむいたまま何度も靴ひもを結び直していた。
父親も何か声をかけようとしていたが、結局何も言わない。
その気まずい空気は、離れた場所から見ていた私にも伝わってきた。
帰り道、息子は「あいつ、めっちゃ嫌そうやった」と話してくれた。
我が子を応援したい気持ちは、同じ親としてよく分かる。
しかし、その声援が子どもを恥ずかしい思いにさせては本末転倒だ。
誰のための応援なのか、改めて考えさせられた試合だった。
【体験者:40代・女性、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


