顧問の指示通りにシュートを打ったにもかかわらず叱責された私。普段は誰も逆らえない顧問に、チームメイトが勇気ある一言を放つと──?
普段から厳しい顧問の指示
高校時代、私は女子バスケットボール部に所属していた。
顧問は普段から厳しく、時には理不尽だと感じる指導もあった。
しかし、誰も言い返せず、部員たちは黙って従うのが当たり前になっていた。
ある日の練習試合で、私たちは相手の厳しいディフェンスに苦戦していた。
ボールを回してもなかなかシュートまで持ち込めず、時間だけが過ぎていく。
すると、しびれを切らした顧問がベンチから叫んだ。
「何を迷ってる! 打てるところは積極的に打て!」
指示通りにシュートを打ったのに、、、
第3クォーターの途中、私は味方からパスを受け、ゴールに向かってドリブルを仕掛けた。
相手ディフェンスが一歩下がり、シュートを打てるスペースができた。
顧問の指示もあり、迷わずジャンプシュートを放った。
しかし、ボールはリングに弾かれてしまった。
すると、ベンチから怒鳴り声が飛んできた。
「何でそこで打つんだ! 横が空いてただろ!」
確かに右側には味方がいたが、打てると思ったから打った。
納得できない気持ちはあったものの、シュートを外してしまったことも申し訳なく思い、私はいつも通り「はい」と返事するだけだった。
チームメイトの一言に全員が驚愕
試合終了後、顧問から再び「あの場面はパスだろ」と注意された。
その時、隣にいたチームメイトが口を開いた。
「先生、さっき積極的に打てって言ってましたよね?」
一瞬、時間が止まったように感じた。
普段、顧問に意見する部員など誰もいない。
周囲の部員たちは驚いて顔を見合わせ、顧問自身も目を丸くしていた。
私も驚いたが、心の中では「よく言った!」と拍手を送りたい気分だった。
顧問の反応と忘れられない出来事
顧問は少し間を置き、「状況を見て判断しろってことだ!」と言い返した。
それ以上、誰も口を開かなかったが、いつものように一方的に叱られるだけでは終わらなかった。
更衣室に戻ると、部員たちは
「あれ、よく言えたな!」
「先生、めっちゃびっくりしてたやん!」
と盛り上がった。
顧問から謝罪はなかったものの、あの一言のおかげで私の悔しさも少し和らいだ。
理不尽な指導に誰もが黙って従っていた中、勇気を出して声を上げたチームメイトの姿は、今でも忘れられない。
【体験者:40代・女性、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


