顧問から突然の「帰れ!」
中学時代、私は女子バスケットボール部に所属していた。
顧問は指導に厳しく、時には理不尽だと感じることもあった。
ある日の練習中、同級生のAが顧問から厳しく注意され、突然「もう帰れ!」と怒鳴られた。
Aは何度も頭を下げ、
「まだやれます! やらせてください!」
「お願いします!」
と必死に食い下がった。
しかし、顧問は聞く耳を持たず、
「帰れって言ってるやろ!」
と再び怒鳴り、Aを体育館から追い出してしまった。
ガラス越しに練習を見続けた部員
それでもAは帰らなかった。
体育館の外に立ち、ガラス張りの扉越しに私たちの練習をじっと見つめていた。
私たちもAの姿が気になっていたが、顧問の目があるため声をかけられない。
すると、顧問はAの存在に気づき、なんと扉のカーテンを閉めてしまった。
練習を見ることさえ許されなくなったAは、しばらくその場に立っていたが、やがて肩を落として帰っていった。
翌日、耳を疑う叱責
翌日の練習で、顧問はAに向かって信じられないことを言い出した。
「昨日、なんで帰ったんや」
その場にいた部員たちは思わず顔を見合わせた。
さらに顧問は
「本気で練習したいなら、意地でも帰らんやろ」
と、Aの態度に落胆している様子だった。
しかし、Aは何度も頭を下げて練習を続けさせてほしいと頼んでいた。
最後にはカーテンまで閉められたのに、一体どうすればよかったのか。
誰もが納得できないまま、その日の練習が始まった。
保護者からの抗議と顧問の対応
翌日、Aの保護者から「さすがに理不尽ではないですか?」と学校へ連絡が入り、顧問は注意を受けたという。
後から聞いた話では、顧問はAの保護者に謝罪の電話をかけたそうだ。
Aの保護者は、
「私ではなく、娘や見聞きしていた部員たちに謝ったほうがいいと思いますよ」
と言ってくれたらしい。
しかし、その後も顧問から私たちに説明や謝罪がされることはなかった。
今でもあの時のAがどうすれば正解だったのか分からない。
ただ一つ言えるのは、理不尽な指導に耐えることと、努力することは決して同じではないということだ。
【体験者:40代・女性、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


