これは、私の娘が小学4年生の時の話です。娘が所属するアイスホッケーチームには、得点率の高いエース選手がいました。例年激しい試合になる相手との地区大会で、そのエースだけが特定の審判から厳しい判定を受け続けます。不利な判定が続く中、試合の行方は思わぬ方向へ──。

得点率の高いエースと、例年激しくなる相手

これは、私の娘が小学4年生の時の話です。娘が所属するアイスホッケーチームには、得点率の高いエース選手がいました。

チームの得点の多くは、このエースのシュートから生まれていました。相手チームから見れば、まず止めたい選手です。

その年の地区大会で当たったのは、例年激しい試合になる相手チームでした。

この試合に娘は出場しておらず、私と娘は観客席からチームを応援していました。

そしてこの試合で、エースは特定の審判から目をつけられているような判定を受けることになります。

体を当てられても、鳴らない笛

試合が始まると、相手の選手がエースを体で当たってくる場面が続きました。アイスホッケーでは、パックを持っていない選手に体で当たるのは反則です。

相手の選手は、その際どいところを狙うように、観客席から見ても明らかな反則を繰り返していました。

反則があれば審判が笛を吹き、反則をした選手は決められた時間、ペナルティボックスに入らなければなりません。ところが、相手の反則に笛は吹かれませんでした。プレーはそのまま続きました。

やり返した瞬間にだけ、鳴った笛

何度も押さえ込まれたあと、エースが報復のようにやり返しました。

その瞬間、笛が鳴ります。反則を取られたのは、先に押さえ込まれていたエースの側でした。エースは2分間、ペナルティボックスに入ることになり、その間チームは一人少ない人数で守らなければなりません。

同じ場面は、試合中に2回ほどありました。

相手の反則には笛が鳴らず、エースがやり返した時にだけ鳴る。監督とコーチがそろって判定に抗議しましたが、判定は変わりませんでした。

残り2分で決まった1点

試合は同点のまま、終盤まで進みました。不利な判定が続いても、子どもたちは最後まで崩れませんでした。

そして試合終了まで残り2分ほどの時、娘のチームが1点を奪います。そのまま相手に点を与えず、試合は1点差で娘のチームの勝利に終わりました。

不利な判定が続く中でも、子どもたちは審判に言い返す代わりにプレーを続け、結果で応えたのです。観客席で見ていた私は、胸がすく思いでした。

【体験者:30代・女性、回答時期:2026年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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