生命保険会社の重役を務める50代男性のKさんは、40代から始めたランニングにすっかり夢中になっている。毎日15kmほど走るという熱心な市民ランナーだが、そのこだわりは仕事中にも発揮される。なんと営業所回りでは、部下を運転手付きの車に乗せ、自分は走って移動するというのだ。

都内の営業所を走って回る会社重役

定年を間近に控えたKさんは、生命保険会社の重役として忙しい日々を送っている。そんなKさんが40代から始めたのがランニング。今ではフルマラソンで3時間半を切ることを目標に、毎日15kmほど走るほどの熱心な市民ランナーになった。

ランニングのために酒もたばこもやめ、食事も自炊する徹底ぶりだ。さらに、早く帰って練習したいため、自分自身はもちろん、部下にも残業をさせないという。仕事も生活も、すっかりランニングを中心に回っているようだった。

重役車に乗るのは本人ではなく部下

そんなKさんには、仕事でも変わった習慣があった。重役として都内各所の営業所を訪問する機会があるのだが、その移動手段がなんとランニングなのだ。

部下と一緒に営業所を回る際には、運転手付きの重役車を部下に使わせ、自分はランニングウェアで次の営業所へ向かう。普通なら重役が車に乗り、部下がそれに同行するところだが、Kさんの場合はまったく逆。部下が車で移動する間、重役本人が自分の足で走っているという不思議な光景が生まれていた。

車よりも先に到着するランナー

ところが、さらに驚かされるのはその移動時間だった。都内では渋滞に巻き込まれることも多く、運転手付きの車よりも、走っているKさんの方が先に営業所へ到着してしまうことが多かったという。

しかもKさんは、訪問先の営業所では女性の営業職員たちに囲まれる人気者。しかし、ゆっくり話している時間も惜しいのか、用事を済ませると次の営業所へ走り出してしまう。後から車で到着する部下たちが、細かな連絡事項や実務を担当するのがお決まりの流れになっていた。

仕事の移動時間までランニングに

本来なら重役を乗せるための車に部下が乗り、当の重役は汗をかきながら走って営業所を回る。しかも毎回のように本人が先に到着するのだから、部下たちも複雑な気持ちだったかもしれない。

しかし、Kさんにとっては仕事の移動時間も貴重なトレーニングの機会なのだろう。走ることが好きだからこそ、日常生活だけでなく仕事の仕組みまで自分なりに変えてしまったのだ。

重役らしい待遇よりも、自分の足で走ることを選ぶKさん。一般的な会社役員のイメージとはかけ離れた行動だが、仕事にも趣味にも全力で取り組む姿には、筆者も驚かされるばかりだった。

【体験者:50代・男性 回答時期:2026年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:おかもとたかひで

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