大阪・関西万博で、“幸福寿命”をテーマにしたトークセッションを開催

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スポーツ庁主催の「Sports Future Lab ~スポーツがつくる未来~」開催期間中の9月7日には、Jリーグとサントリーウエルネスによるトークセッション「サッカーの“推し活”から考える、人生100年時代の“幸福寿命”」がEXPOメッセ・WASSEで開催されました。

熱狂的なアーセナルFCサポーターとして知られ、認知症の父を介護した経験を持つタレントのハリー杉山氏がイベントの司会進行を務めた。 主催者提供
イベントにはJリーグの初代チェアマンを務めた川淵三郎さん、サッカー元日本代表でJリーグ特任理事の内田篤人さん、そしてお笑い界からは「ますだおかだ」の増田英彦さん、そしてプロジェクトを推進するサントリーウエルネス(東京都港区)の栗原勝範社長が登壇。ハリー杉山さんが司会進行を務めるイベントでは、サッカーの応援に熱を入れる元気な高齢者の姿が紹介され、Jリーグ初代チェアマンを務めた川淵氏が「こういう事例が全国に広がれば……」と感極まる一幕も見られました。

Jリーグ初代チェアマンを務めた川淵三郎氏。88歳になった今も、精力的な活動を続けている。主催者提供
スポーツを生きがいにする高齢者の姿から、人生100年時代を考える

認知症を患い、今は介護施設で生活している80代の女性テルコさんと、生活する施設を訪れて声援を送る増田さん。「推し」選手の応援が生き甲斐になっているそうです。主催者提供
この日のトークセッションは、これまでの「Be supporters!(ビーサポーターズ)」の活動を振り返りつつ、プロジェクトを通じて生まれた心温まるエピソードの数々や、スポーツを生き甲斐に元気に生きる高齢者の姿が紹介され、イベントを訪れた観客の皆さんは共感するかのような仕草を見せながら、スクリーンに映し出される映像を見つめている姿が印象的でした。
「Be supporters!」とは?
高齢者や認知症患者さんのような普段は「支えられる側」に立つことの多い皆さんが、地元クラブのサポーターとなり、「支援する側」になることを目指す活動です。サントリーウエルネスとJリーグが2021年から共同で推進するプロジェクトには、今では計230の施設で生活する延べ1万人以上の皆さんが参加されているそうです(2024年時点)。

内田篤人さんは「選手も高齢者のみなさんの応援で頑張ろうという気持ちになれる。互いに目標があり、目指すものがあるので、win-winの関係になれると思います」と元選手目線でコメントした。
高齢者がサッカーによって生きがいや活力を得ている実例を踏まえ、来場者の皆さんと一緒に人生100年時代の幸せについて考える意義を語り合う展開でイベントは進行。幸せを感じながら「人生100年時代」を健康に生きるために、「推し」のチームを持って応援することの意義をそれぞれ語り合いながら、終幕を迎えました。

サントリーウエルネス(株)代表取締役社長の栗原さんは、“推し活”が幸福度向上に与える影響について調査・研究していることに触れ、たうえで「人生100年時代、多くの人に幸福感をもって過ごしてほしい。人間の豊かな生活文化を創造することを目指している会社として、この活動を広げていきたい」と「Be supporters!」活動への意欲を語りました。

