横浜F・マリノスは11日、クラブ公式サイトでFW宮市亮が先月14日の練習中に脳震とうを受傷していたと報告した。
クラブの発表によると、宮市は今季に入り複数回の受傷歴があることを踏まえ、専門家による診察とともに復帰に向けた段階的プロセスを慎重に進めているという。
同選手は1992年生まれの現在32歳。ウィングやFWとしてアーセナルやフェイエノールトなど欧州の複数クラブでプレーした後に、2021年7月に横浜FMへ完全移籍した。
これまでにも前十字じん帯の断裂やハムストリングの負傷で長期離脱を強いられた経験があり、今年5月には右ハムストリングの肉離れと診断され、約1カ月ほど負傷離脱していた。
それでも今季はリーグ戦22試合に出場し、ベテラン選手として残留争いに巻き込まれたチームを牽引。同選手は直近3試合はベンチ外となっていたが、想いを託されたイレブンが見事に9日の京都サンガFC戦で勝利し、J1残留を決めた。
横浜FMは「脳震とうが診断された、あるいはその疑いがある場合には、再発を防ぐため段階的プロセスを実施することが、JFA(日本サッカー協会)の医事ガイドラインでも推奨されております」と説明。
JFAが推奨している「復帰へのプログラム」のステージ1(休息)からステージ6(競技復帰)まで段階を踏んだガイドラインに則って「選手の安全と健康を最優先に、慎重にサポートを続けてまいります」との姿勢を示している。
サッカーにおける脳震とうは決して軽視できない外傷で、複数回受傷すると記憶力障害や集中力低下など、慢性的な症状につながる可能性も指摘されている。
なお、同クラブはファン・サポーターに向けて「引き続き、温かいご声援をよろしくお願いいたします」と呼びかけている。
筆者:江島耕太郎(編集部)
