かつてポルトガルで背番号10をつけた日本人MFが、イングランドでの適応に苦戦している。

今季ポルトガル1部のジウ・ヴィセンテからイングランド2部のバーミンガム・シティに移籍したMF藤本寛也だが、早くも退団の可能性が取り沙汰されているという。

18日にイギリスメディア『Football League World』が報じた。

藤本は昨季のポルトガル1部で5得点6アシストを記録してバーミンガムに加入したが、イングランドに渡ってからは序盤から出番に恵まれていない。

リーグ戦の出場はわずか1分。カラバオカップでも45分のプレータイムにとどまっている。

同メディアは、バーミンガムを取材する現地記者ジェイソン・ムーア氏による手記を掲載。

同氏は、藤本の現状について「驚いている」としつつも、起用されない理由をこう語る。

「彼がプレーしたのは本当にわずかな時間だけど、彼は(プレーが)軽すぎるように見えたんだ。クリス・デイヴィス監督は、100パーセント信頼できるまでは選手を起用しない。藤本に必ずチャンスはめぐってくるだろうけど、“チャンスのためのチャンス”を与えるタイプの監督じゃない」

さらにムーア氏は「デイヴィス監督の求めるものを理解しなければ出場はない。だから彼は辛抱強く続けるしかない」としながら、「彼には同情するが、1月に彼がいなくなっても驚かないよ」と厳しい見解を示した。

同メディアによると、藤本は週給1万7500ポンド(約360万円)を受け取っており、この額はチーム5位タイの水準となっている。

出場がないまま高給を払い続ける状況は、クラブにとっても負担だという。

またこの記事では、ポルトガルとイングランドのリーグレベルの差についても触れ、今季スポルティングCPからアーセナルへ移籍したスウェーデン代表FWビクトル・ギョケレシュの例を引き合いに、「主要リーグ間のギャップは、時に選手の評価を変えてしまう」と分析。

藤本もその影響を受けていると指摘している。

同選手はバーミンガムと3年契約を結んでおり、今季はまだ1年目。巻き返す時間は残されているはずだ。

だが、現状が続く場合はムーア氏の言う通り、1月に新天地を求める可能性もある。冬の去就は大きな注目点となりそうだ。

筆者:江島耕太郎(編集部)

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