J3の鹿児島ユナイテッドFCが大きな節目を迎えている。クラブは20日、相馬直樹GM(ゼネラルマネージャー)兼監督が2025シーズンをもって退任すると発表した。
クラブの発表によると、来季に向けた運営方針について協議を重ねてきたものの、強化組織における基本的なビジョンやスタンスに相違があり、双方合意のもとで契約終了という決断に至ったという。相馬氏は鹿児島での新たな挑戦をわずか1年で終えることになる。
相馬氏は1971年7月生まれの54歳。静岡県出身で、日本サッカー協会S級ライセンスを保有する指導者だ。現役時代は、早稲田大を経て鹿島アントラーズ、東京ヴェルディ、川崎フロンターレなどでプレー。2004年に現役を引退してからは、古巣の川崎や鹿島、FC町田ゼルビア、大宮アルディージャ(現RB大宮アルディージャ)などで監督を歴任した。
今季から鹿児島でトップチームの監督とともにGMの仕事も兼任していた。
クラブの公式リリースで相馬氏は、「契約を双方合意のもとで終了することとなりました」と報告し、「諸般の事情により、シーズン佳境の中、公表する事になったことをお許しください」とファンへ理解を求めた。
そのうえで「フットボールそのものではなく、強化を取り巻くマネジメント面での考え方にシーズン当初から相違があり、慎重な話し合いを重ねてきましたが、このような結論に至りました」と説明した。
また、「『前へ』というスタイルを貫けたことは、一緒についてきて戦ってくれた選手、スタッフには感謝してもしきれません」とチームへの謝意を述べ、「残念ながら私は今シーズンを持ってクラブを離れる事となりますが、まだ戦いは残っています。昇格を掴み取れるように最後まで一緒に戦ってください」とJ2昇格を目指すリーグ戦残り2試合に向けてサポーターへ訴えた。
一方、湯脇健一郎クラブ代表も「『攻守ともに前へ前へ』というスタイルを短期間で浸透させ、最後まで優勝争いに絡むなど素晴らしい功績を残してくださいました」と評価。
しかし、「求めることや考え方、方向性に相違があり、折り合いがつかなかった」と苦渋の決断だったことを明かし、「目指すべき方向性を示して頂いたと思っております。心より感謝申し上げます」と感謝の言葉を贈った。
だが、この発表に対してSNSでは「『次の10年を見据えて」と言ったはずですが…毎年監督を変えて、どう10年先を見据えるのでしょうか?」「強化方針が違う人をユナイテッドは何でGMに招かれたんですか?」「流石に納得できない。詳細が知りたい」など、サポーターから困惑の声が数多く寄せられた。
なお、後任監督については決まり次第発表される。クラブが“前へ”進むための次の一手に注目が集まる。
筆者:江島耕太郎(編集部)
