[J2第38節、ジェフユナイテッド千葉 5-0 FC今治、11月29日、千葉・フクダ電子アリーナ]
千葉は今治に5-0で大勝し、2025明治安田J2リーグを3位で終えた。
この結果を受けて、千葉は12月7日午後1時にホームで6位RB大宮アルディージャとJ1昇格プレーオフ(PO)準決勝を戦う。
試合後、小林慶行(よしゆき)監督は自身の契約について語った上で、J1昇格POへの意気込みを口にした。
大勝するも他会場の結果を受けてJ1昇格POへ
人事は尽くした。
J2優勝と17季ぶりのJ1復帰をかけて臨んだJ2最終節の今治戦。小林監督が「この大声援を受けて、選手たちが躍動したゲームを見られたこと、ゲーム内容としても自分たちがずっと積み上げてきたことをしっかりと表現できたすごくいいゲームでした」と振り返るように、フクアリ史上最多となる1万9103人が詰めかけた大一番で、3年目を迎えた小林ジェフの集大成を披露した。

小林監督(写真・縄手猟)
ゴールラッシュは前半11分に始まった。
FWカルリーニョス・ジュニオがペナルティキックを落ち着いてゴール右側に流し込み先制。同31分に主将DF鈴木大輔がMF田口泰士からのフリーキックをヘディングでねじこむと、後半1分には途中出場のMF杉山直宏がクロスボールからオウンゴールを誘発した。
田口は「襲いかかっていこうと話をしていました。笛が鳴った瞬間から点を奪いに行く姿勢を、攻守両面で話していた」と、狙い通りに試合が進められたと説明。「本当にこの1試合にかけていました」と序盤からアウェイチームを圧倒した。
さらに後半29分には、ボックス前中央で細かくパスをつなぎ、最後はFW石川大地が押し込んだ。とどめは、同40分にMFエドゥアルドがハーフウェイライン付近から相手GKの意表を突いたロングシュートをネットに沈め、5-0で大勝した。

この日の2得点目を決めた鈴木大(写真:繩手猟)
同時刻に試合をしていたV・ファーレン長崎と水戸ホーリーホックの結果次第では、千葉のJ1復帰が決まる状況だったが、結果は長崎が徳島ヴォルティスに引き分けて2位に、水戸が大分トリニータに勝利してJ2優勝を達成。千葉は3位でシーズンを終えた。
試合後、小林監督は「僕自身も来年どこにいるのか分かりませんから」と前置きした上で、「目の前の一戦、一戦で『このゲームが最後だ』と思って取り組んでいます」と今季を振り返った。
「僕自身まったく悔いはないです。自分の力でやれることはしっかりとやってきたという自負は相当あります。まったく後悔はない。そして残り2試合で成し遂げられると信じているので、もうそれしかない。
来シーズンのこととかは僕も分からないというか、契約はもうないので。もちろん残り2試合の結果もありますが、先のことに関して僕自身はまだ見えない。でも、今季の分岐点になったようなところを振り返って、もう一度同じようなシーズンを送ったとしても、そこでした決断と同じようなことを、同じようなタイミングで決断したと思います」

この日の4得点目を決めた石川(写真:縄手猟)
リーグ戦20勝9分9敗でシーズンを戦い抜いたイレブンは、RB大宮とのJ1昇格PO準決勝に向かう。
この日に向けて、トレーニングから大きなエネルギーを注いできた千葉にとってはショッキングな結果となったが、指揮官は決意を新たにした。
「サポーターのみなさんも相当がっかりしたと思います。それでもサポーターの方たちに、もう一回きょうのパワーをお借りできるかどうか。
次も自分たちのホームゲームなんだ、 3位というのはそういうことなんだと。そこはしっかりとポジティブに考えて、自分たちのマックスのパワーを相手にぶつけられるような準備をできるかどうかだと思います」

フクダ電子アリーナ(写真:縄手猟)
決して思い通りの結末とはならなかったが、戦いは続く。イレブンは、悲壮な覚悟で次の大一番への準備を進める。
(取材・文・浅野凜太郎、写真・縄手猟)
