イギリスで議論を呼んだ「マッカビ・テルアビブ(イスラエル1部)のサポーター入場禁止」問題。

この事案をめぐり、警察が示した根拠の一部に不正確な情報が含まれていたことが明らかになった。

1日にイギリスメディア『BBC』が報じている。

先月6日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)リーグフェーズ第4節のアストン・ヴィラ対マッカビ・テルアビブの試合では、治安上の懸念を理由に、マッカビ・テルアビブを応援するイスラエル人サポーターの入場が禁止された。

この決定は、地元の安全諮問委員会(SAG)が下したが、その判断を下す証拠になった警察資料について、政府の反ユダヤ主義対策に関する独立顧問であるマン卿(ロード・マン)が「事実が判断に合わせる形で変えられていた」と英議会で指摘した。

ウェスト・ミッドランズ警察は、オランダ警察から得た情報をもとに「マッカビ・ファンがアムステルダムで乱闘・旗の引き倒し・市民への暴行を行った」と判断したという。

しかし、マン卿によれば、報告書に記された「複数の事件」は実際には1件であり、旗を倒したのも試合前夜に1枚だけだったという。

また、実際には開催されていない「マッカビ対ウェストハム戦」に関する記述が含まれるなど、SNS投稿を誤って引用したとみられる箇所もあった。

一方、クレイグ・ギルフォード警察本部長は「慎重な判断だった」と主張し、「決して証拠を都合よく曲げてはいない」と反論。オランダ側はマッカビの“ウルトラス”が非常に組織的だったと述べ、「地元コミュニティと衝突したと明確に伝えていた。地域の安全確保には禁止が最善だった」と説明した。

サポーターの入場禁止はイギリスのキア・スターマー首相も批判しており、政治的コメントの是非も議会で議論された。

警察側は「政治家が意見を述べるのは自由だが、情報が不完全なまま発言されると緊張を高める場合がある」と慎重な姿勢を示している。

今回の問題は、欧州のサッカーの試合における安全対策と政治的緊張の問題を改めて浮き彫りにしたと言える。

筆者:江島耕太郎(編集部)

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