J2ジェフユナイテッド千葉は3日、J1昇格プレーオフ(PO)準決勝に向けた囲み取材を行った。
今季J2リーグを3位でフィニッシュした千葉は、今月7日午後1時にホームで6位RB大宮アルディージャと対戦する。
17季ぶりのJ1復帰に向けた大一番に向けて、FW石川大地が意気込みを語った。
二桁得点達成でも悔しさ
今季よりJ2ロアッソ熊本から千葉に完全移籍で加入した石川。ホーム開幕戦(第2節カターレ富山戦、2○0)で加入後初得点を記録し、先月29日に行われたFC今治との最終節で今季リーグ戦10得点目を奪った。
加入初年度で二桁得点を達成して、昨季の得点数に並んだストライカーだが、達成感よりも悔しさの方が大きい。
「(今季の)最初は得点を取れていましたが、自分の中で少し考えながらやっていた部分があった。その中で最後の方はケガもあって少し(期間が)空いてしまい、最後にまた得点が取れてきました。
最後にかけて頭の中でクリーンにサッカーができていますし、攻撃も守備も迷いなくできているところが良かったと思う。だけど終わってから、もっと点を取れるなと思ったので、その悔しさを晴らしていきたいです」

取材に応じた石川
シーズン終盤にかけて、2トップでコンビを組むブラジル人FWカルリーニョス・ジュニオとの連係面も円熟味が増した。
石川と同じく今季リーグ戦10得点を記録したカルリーニョスが相手ディフェンスラインの裏に抜ければ、石川が足元でボールを受ける。その逆もしかりだ。
小林慶行監督が二人のストライカーに明確な役割を与えたことで、両者は迷いなくプレーできている。
「カル(カルリーニョス)とは話してもいるし、試合を重ねるごとに『こうだよね』と感覚が合ってきました。
監督がいろいろと整理をしてくれていて、役割を与えてくれている。それで自分たち前の選手がうまくやりやすいようにできていると思います」

第25節RB大宮戦でのカルリーニョス(写真:縄手猟)
RB大宮とは今季1勝1敗。国立競技場で行われた第14節は石川が頭で同点弾を沈めるも1-2で敗れ、リベンジとしてアウェイに乗り込んだ第25節はカルリーニョスのヘディング弾で勝利した(1○0)。
ホームのフクダ電子アリーナで行われるJ1昇格PO準決勝では、RB大宮相手に今季1得点ずつを奪っている石川とカルリーニョスのゴールに期待がかかる。
「前はアウェイでその前は国立だったので、今年はフクアリでまだ一度も大宮と試合ができていない。そこは自分たちにとってすごくポジティブな要素だと思うので、ホームでやれるところを生かして相手に襲いかかりたい。
ホームでやった最終節の雰囲気を見たら、自分たちは『やってやるぞ』という気持ち以外は何もない。あの声援を受けて、しっかりと相手に立ち向かっていきたいです」
悔しさは、大一番のゴールで晴らす。
プレッシャーのかかる状況に思えるが、「ワクワクしている」と目を輝かせた石川。2018年のプロ入り後、いまだJ1でのプレー経験がないストライカーは「自分の価値を上げられるチャンスだと思うし、『自分はこういう選手なんだ』というのをより多くの人に見てもらえる機会、チャンスでもある」と、千葉とともにトップディビジョンへ上がる。
(取材・文 浅野凜太郎)
