確かな自信を持ってJ1昇格PO決勝へ
3得点を先取される苦しい展開から、見事な逆転劇を披露した。センターバックで先発した河野は長短を織り交ぜたパスでビルドアップを活性化させ、守れば打点の高いヘディングとパワフルなタックルでチームを支えた。
「正直、3点目ってダメ押しのイメージがあるし、『マジか』とは思いました。でもまだ時間はあったし、1点を取ったら絶対に流れがこっちに来ると思っていた。全員が諦めなかったことが、結果につながったと思います」と、執念の4得点を奪ってみせた。
2019年にJ3ギラヴァンツ北九州でプロキャリアを始めた河野。2023年からはJ2ブラウブリッツ秋田に加入し、2シーズンでリーグ戦77試合に出場した鉄人だ。
今季序盤は試合に出られない日々が続いたものの、トレーニングから懸命にアピールを続け、第23節のモンテディオ山形戦(1○0)以降は、ほぼ全試合でスタメンフル出場を果たしている。

パスコースを探す河野(写真:縄手猟)
ここまでJ1でのプレー経験はなく、J1昇格POも今回が初めてだった。それでも、これまで積み上げてきた経験が、確かな自信としてプレーに表れていた。
「(POは)みんな『緊張する』とか言うんですけど、僕は緊張とかあまりないです。どちらかというとここまでやってきたんだし、楽しみたい。自分のいつも通りのプレーをすれば、絶対にチームを勝たせることできると思っています」
河野の奪った4得点目により、落ち着いて試合を終わらせた千葉。試合終了後にはサポーターと喜びを分かち合い、今月13日午後1時5分にフクアリでキックオフする徳島ヴォルティスとのJ1昇格PO決勝の勝利を誓った。
フクアリで決勝戦を戦えるメリットはもちろん、引き分けでも17季ぶりのJ1復帰が決まる有利な状況だ。それでも背番号28の頭の中には、引き分けで昇格を決めるイメージは毛頭ない。

ボールを持ち運ぶ河野(写真:縄手猟)
この日のゴールを「記憶にも残りやすいし、本当に最高なゴール」と、自身のベストゴールに位置付けたが、「あと1試合あるので、まだ狙っていきます」と、河野は最終決戦で過去最高を更新する。
(取材・文:浅野凜太郎、写真:縄手猟)
