[J1昇格プレーオフ2025決勝、ジェフユナイテッド千葉 1-0 徳島ヴォルティス、12月13日、千葉・フクダ電子アリーナ]

千葉がJ1昇格プレーオフ(PO)決勝で徳島を1-0で破り、17季ぶりのJ1復帰を果たした。

今季J2最終節で負傷し、J1昇格PO準決勝を欠場していたMF椿直起。

麻酔を打ってこの日の大一番に臨んだドリブラーは仲間たちと涙を流しながら、昇格の味をかみしめた。

涙を流した椿の覚悟

「やっと報われた」

J1復帰を告げるホイッスルと同時にネックウォーマーで顔をおおった椿。25歳の目から、歓喜と安堵(あんど)の涙があふれた。

今季リーグ戦全試合に出場し、千葉のリーグ戦3位フィニッシュに貢献した。左サイドを切り裂くドリブラーは、J1昇格POのキーマンとして期待されていたが、J2最終節のFC今治戦(5○0)で負傷。

前半終了のホイッスルと同時にピッチ中央で倒れこみ、そのまま担架で運ばれた。

同試合後は、痛めたと思われる右足首にアイシングを巻きながら「(J1昇格POに向けて)最大限の準備はしたい」と力強い言葉を残していたが、内心では欠場を悟っていた。

画像1: J2最終節の椿(写真:縄手猟)

J2最終節の椿(写真:縄手猟)

「正直、自分の中では『もう無理だな』と思っていました。だから仲間を信じて、決勝には間に合わせたいという気持ちで取り組んできました」

椿の想いも背負ってJ1昇格PO準決勝を戦った千葉は、RB大宮アルディージャに4-3で逆転勝ち。同試合をスタンドから見守っていた背番号14は、「なんとかしてチームのためにピッチに立ちたい」と決勝戦出場への準備を進めた。

ただ、痛みは残っていた。

小林慶行(よしゆき)監督にはトレーニングでのパフォーマンスを見た上で正当に評価してほしいと伝えた。また、メディカルスタッフらは椿の思いを汲んで、念入りなケアでサポートし続けた。

そして迎えた決戦前日。指揮官からメンバー入りを告げられた。

画像: 小林監督(写真:縄手猟)

小林監督(写真:縄手猟)

「麻酔もたくさん打って、もう気持ちの勝負だなと思っていました。一つ言えるのは、メディカルスタッフや、普段から自分をケアしてくれている人に、めちゃくちゃ感謝したいということ。

その人たちがいなければベンチに入ることは絶対にできなかったし、慶行さんもこの大事な試合でベンチに入れる決断をしてくれた。本当に感謝したいです」

イレブンは今季の千葉をけん引した背番号14をベンチに控えさせ、徳島との大一番に臨んだ。

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