J1サンフレッチェ広島から今季は育成型期限付き移籍でJ3ガイナーレ鳥取に加入していたFW棚田遼。

両クラブから退団のリリースは発表されていなかったが、18日に大阪府内で開催された日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する『JPFAトライアウト』に姿を現した。

広島の下部組織で背番号10を背負い、将来を期待されていた男のトライアウト参加は、本人にとっても「まさか」の出来事だった。

受け入れられなかった広島からの契約満了

広島の未来を担う存在だった。

18日のトライアウトに参加した棚田。サンフレッチェ広島ジュニアユース、サンフレッチェ広島ユースで背番号10として成長し、2022年にトップチーム昇格を果たした。

「トップチームでもいつか10番を背負って、エースでやる未来を描いていた」と、地元広島で活躍したい一心だった。

だからこそ、契約満了を告げられたときのショックは大きかった。

画像: 18日のトライアウトに参加した棚田(写真:浅野凜太郎)

18日のトライアウトに参加した棚田(写真:浅野凜太郎)

「まさか自分がトライアウトに来るとは思っていませんでした。(トップチーム昇格から)4年目で契約が切れたことを、最初は受け止められなくて…。

小さいころからサンフレのアカデミーでやってきて愛があるので申し訳ない気持ちと、期待してくれているファンが多かったので、その期待に応えたかったという気持ちが一番です」

昨季はJ2いわきFCに育成型期限付き移籍してリーグ戦10試合、今季は鳥取での武者修行だったが、リーグ戦20試合2得点の活躍に留まった。

トライアウトの参加については直前まで迷うほど葛藤していたが、「まだ正式にオファーがきていない」と18日の部に臨んだ。J3のクラブから話はもらっているが、「トライアウトに来るからには自分の武器とか価値を示そう」とスカウトにアピールした。

画像: パスコースを探す棚田(写真:浅野凜太郎)

パスコースを探す棚田(写真:浅野凜太郎)

この日は紅白戦が3本行われ、自ら志願して全試合に出場。得意とするトップ下でのプレーに加え、本職ではないボランチでも持ち前のテクニックを披露した。

「本当にいい経験だったと思っています。ここからはい上がっていくしかない」と、22歳は“広島への想い”をエネルギーにしている。

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