南米サッカー界に衝撃が走った。
エクアドルメディア『EXTRA』は18日、同国の名門バルセロナSCに所属するDFマリオ・ピネイダが、グアヤキル市内で銃撃され死亡したと報じた。
事件が起きたのは17日の午後。グアヤキル北部サマネス地区の商業施設に、2人組の武装した男が侵入し、店内にいたピネイダと同伴していた女性を銃撃した。
同国メディア『El Siario』は、ピネイダとともに殺害された女性は、同選手の妻だったと伝えた。
防犯カメラの映像によると、犯行はわずか十数秒の間に行われ、ピネイダは抵抗する間もなく複数発の銃弾を受けたという。現場に居合わせた従業員にけがはなかったが、突然の凶行に大きな恐怖が広がった。
ピネイダは1991年生まれの33歳。2010年にエクアドルのインデペンディエンテDVでプロデビューを果たし、2015年にエクアドル屈指の人気クラブであるバルセロナSCに移籍した。
在籍期間中にはブラジルの名門フルミネンセや国内クラブへの期限付き移籍も経験し、左サイドバックとして安定した評価を受けてきた。またエクアドル代表としても2015年に初招集され、2021年までに通算9試合に出場している。
一方で、事件直前にはクラブを取り巻く緊張した状況も伝えられていた。地元報道によれば、ピネイダは給与未払いを巡り、チームメートとともに抗議行動を取っていたとされる。ただし、今回の銃撃事件との直接的な関連については、現地当局が慎重に捜査を進めている段階だ。
バルセロナSCは公式声明を発表し、突然の訃報に深い悲しみを表明。
「クラブの一員である私たち全員にとって、計り知れない衝撃と悲しみをもたらす出来事だ」とし、遺族と関係者への哀悼の意を示した。
栄光と苦難を経験してきた一人の代表選手の最期は、エクアドル社会全体に重い問いを投げかけている。
筆者:江島耕太郎(編集部)
