11月5日に発売された『Football Manager26』のインタビュー。Qoly編集部がプロデューサーであるマイルズ・ジェイコブソン氏を直撃した。
(中編)となる今回は、ライセンスの問題や女子サッカーの話題などを聞いている。
――『Football Manager』シリーズといえば、膨大で緻密な選手データに触れないわけにはいきません。ライセンスはどんな状況でしょうか?
サッカーファンが喜ぶのは、プレミアリーグのライセンスが取得できたことです。さらに、女子リーグも11リーグが搭載され、そのうち多くがフル・ライセンスです。
ライセンスは毎年更新になり、単年度だけでなく更新ができる予定です。
また、発売日付近にすごいお知らせができる予定です。
(10月17日にFIFAとライセンス契約を複数年結んだことを発表。ゲーム内でFIFAワールドカップ26が再現予定)
――プレミアリーグを取得できたことはとてもすごいと思います。他社(例えば、Electronic Arts)との契約は大丈夫だったのでしょうか?
はい。EAさんがプレミアリーグの独占ライセンスを所有しているんですが、彼等がいいよ、と言ってくれたから実現できました。とてもありがたいと思っています。
EAさんの『 EA SPORTS FC』とは同じサッカーゲームというくくりではあるのですが、ゲームの作りも、ユーザー層も何もかも違います。食い合わないだろうということになりました。
ライバルではあるけれども、それで嫌うには人生は短い、タイムオーバーですね(笑)。
争う暇があるなら仲良くしましょう、ということでEAさんに遊びに行くこともありますし、Football Managerシリーズの開発チームへEAさんが遊びに来ることもありました。
今では、お互いにゲームのコードを送り合っています。「ゲームが出来たから遊んでくれ」ってね。
――女子サッカーを搭載した理由は何でしょうか?
5年くらいから前から女子サッカーを搭載したいと思っていたのですが、実現して思ったのは10年、15年前からやっておけばよかったということですね。
――日本から見るとヨーロッパの女子サッカーは盛り上がりをすごく感じますが、そのあたりはいかがでしょうか?
女子サッカーを搭載するにあたり「マネタイズができるのか?」という疑問があると思います。私は搭載できるように努力をしてきましたが、最終的なきっかけとなったのが元・女子サッカー選手との対談だったんです。
どうしても男子のプロと比べると金銭的に恵まれていない、環境が…とか色々な問題があるんですけど、女子サッカーを普及させるためには、まず、ゲームで遊べるようにしないといけないと解決しないのではないか?と。それもあって一緒に普及をしていこうと考えました。
――女子と男子では特性の違いがあると思います。どうしたのでしょうか?
不平等にならないように女子は女子、男子は男子と分けて考えました。そうしないと、女子のパワーはマックス10だけど、女子の方が敏捷性が高いとなってしまうかもしれませんよね。
――ライセンスに関してはライセンスそのものもですし、データをそろえるのにもとてもコストがかかる話だと思います。
はい。セガにありがとうと言いたいです。
――僕らにはわからない話として、セガさんが発売元、スポーツ・インタラクティブさんが開発元となっています。その結びつきはどのような感じなのでしょうか?
それで、誰かがヒット作を作ると、みんなの予算が増えるんです。
――2026シリーズを前に『サカつく』シリーズ最新作では、Football Managerシリーズとのコラボが発表されました。それも「ワン・セガ」の一つでしょうか?
そうですね。ロゴにPowered by Football Managerと入っています。元々は、サカつくの開発チームからデータのライセンスをしてほしいという依頼が来たのがきっかけです。
同じサッカーのシミュレーションゲーム(SLG)ではあるんですが、違うプレイスタイルということで非常に尊敬しているゲームです。
アジア圏でサカつくの知名度は高いですからFootball Managerシリーズの名前も広がって、欧州ではFootball Managerシリーズの知名度をいかしてサカつくシリーズが有名になるといいなと思っています。
――プレー感の違いは開発者から見てどう考えていますか?
サカつくシリーズの方がアーケードゲームのプレー感に近いと思っています。短い時間で遊べますよね。
Football Managerシリーズは戦術の深いところが強みだと思います。どっちもプレーしてほしいですね。
ちなみに、サカつくさんともよく意見交換をしているんですよ。
(後編へ続く)

