韓国2部の水原三星が、韓国1部光州FCのイ・ジョンヒョ監督を新指揮官として迎える見通しとなった。
韓国メディア『FOOTBALLIST』によると、クラブは史上最高水準の条件を提示して合意に達したという。
22日に光州が退団リリースで同監督は「もっと広い舞台で、新しい挑戦をしようと思う」とコメントしていただけに、“国内移籍”の決断には驚きの声も挙がっている。
水原は、かつて韓国屈指の強豪クラブとして知られていたクラブで、国内リーグ4度の優勝、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2度の制覇を含む24個のタイトル獲得経験を持つ。
だが、近年は不振が続き、2023シーズンに2部へ降格した。今季はリーグ準優勝(2位)ながら昇格プレーオフで敗れ、水原は2部生活の長期化を避けるべく大胆な改革に踏み切った。
イ監督は近年、日本でも高い評価を受けてきた指揮官だ。過去にはヴィッセル神戸やサンフレッチェ広島など、J1クラブの監督就任が噂され、日本のサッカーファンの間でも注目を集めていた。
その評価を決定づけたのが、昨季のAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)での戦いだ。
光州を率いて横浜F・マリノスに大勝し、川崎フロンターレにもアウェイで勝利するなど、日本勢相手に強烈なインパクトを残した。
決勝トーナメント1回戦では前年のJ1王者神戸を相手に、2試合合計スコア3-2で勝利してクラブ史上初のACLEベスト8進出を果たした。
ポジショナルプレーを軸にしたビルドアップ志向のサッカーと、選手のサッカーIQを重視する手腕が特徴で、光州では埋もれていた選手を次々と戦力化してきた。
水原でも年俸や過去の実績にとらわれない再評価で、戦術と競争による“古豪再建”を目指す。
筆者:江島耕太郎(編集部)
