[第74回全日本大学サッカー選手権大会決勝ラウンド決勝、国士舘大 0-3 筑波大、12月27日、栃木・栃木県グリーンスタジアム]
国士舘大は、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)決勝ラウンドの決勝で筑波大に0-3で敗れ、25大会ぶり5回目の優勝を逃した。
この日、トップ下で先発したFW村上竜規(2年、栃木SC U-18)は、故郷・栃木県での決勝に意気込んで臨んだが、優勝トロフィーを掲げることはできなかった。
“故郷”での決勝
福岡県北九州市で行われたグループステージを2位で通過した国士舘大は、栃木県で行われる決勝トーナメントに駒を進めた。
決勝トーナメントは準々決勝から決勝まで、すべて村上の出身地である栃木県で開催された。
栃木SCのアカデミーで育った村上にとって、同クラブが本拠地とするカンセキスタジアムとちぎ、栃木県グリーンスタジアムでのプレーは、特別な感情を呼び起こすものだった。
「自分が育ったクラブのホームスタジアムでやれるというのは、本当に幸せなことです。(地元の人たちの)温かさは感じていて、その中で自分の良さを準々決勝、準決勝は出せたと思うんですけど、きょうはなかなか出せず、まだ(実力が)足りないと思いました」
もちろんこの日の会場には、両親や地元の友人が来場。試合前日には、アカデミー時代から自身を応援してくれていたサポーターからたくさんのメッセージが届いていたという。
国士舘大の背番号28は、「そういう人たちの分まで戦いたいと試合前から思っていました。結果で応えられず、本当に悔しいです。この借りをまた来年、再来年と返していけるように、より一層強くなってここに戻って来られるようにやっていきたい」と悔しさをにじませた。

力強いドリブルで突破する村上(写真 縄手猟)
今年の国士舘大は、主将のMF吉岡優希(4年、東福岡校、J2ロアッソ熊本内定)を筆頭に、4年生がチームを引っ張ってきた。
吉岡のほか、センターバックのDF岡英輝(4年、サガン鳥栖U-18、J3カマタマーレ讃岐内定)、川原颯斗(4年、北海道コンサドーレ札幌U-18、J2札幌内定)らプロ内定者も多く、日々刺激を受けながら練習に打ち込んだ。
「普段から高い環境でやらせてもらっているからこそ、こういう舞台に立てている部分もあります。プロに行った選手といろいろなコミュニケーションを取って、いい刺激をもらえた1年間でした」
今季の国士舘大は、関東大学サッカーリーグ1部で2位、インカレでも準優勝と、いずれも筑波大に阻まれて頂点に届かなかった。
村上の来季の目標は明確。筑波大にリベンジを果たしての3冠達成だ。
「来年はインカレ、リーグ戦、総理大臣杯の3冠を狙いに行くのはマスト。その上で、今年は筑波に3連敗したので、絶対に筑波に勝ってこの借りを返して、4年生にいい報告をしたいです」
国士舘大の背番号28は、故郷での決勝で味わった悔しさを胸に、打倒筑波大とタイトル獲得へ闘志を燃やしている。
(取材・文・写真 縄手猟)
