これまで多くの日本人選手を迎え入れてきたベルギー1部のシント=トロイデン。

韓国クラブと提携し、アジア市場の拡大を狙っているようだ。

ベルギーメディア『VoetbalNieuws』は29日、シント=トロイデンが来季から韓国2部に参入するクラブの坡州フロンティアFCとの戦略的提携に近づいていると報じた。近日中に正式合意に至る可能性が高いという。

シント=トロイデンは日本企業DMMグループが運営するクラブとして知られ、日本市場ではスポンサー収入や日本人選手獲得の両面で成功を収めてきた。

現在も日本代表DF谷口彰悟やGK小久保玲央ブライアンら7人の日本人選手が所属している。

一方で、近年は欧州各クラブが日本人選手の獲得に積極的となり、競争は激化。そこでクラブは新たな成長市場として韓国に着目した。

報道によれば、坡州フロンティアのクァン・ファンボ代表は、同クラブを「韓国人選手が欧州へ羽ばたくための玄関口」に育てる構想を掲げ、すでにポルトガルのGDシャヴェス、FCヴィゼラと提携関係を築いている。

シント=トロイデンとの提携が実現すれば、韓国人選手がテスト参加を経て欧州に渡るルートが確立されるほか、育成年代やトップレベルの指導者交流、将来的な移籍金の分配といったビジネス面での連携も想定されている。

さらに注目されるのは、日本との結びつきだ。

クァン氏は、シント=トロイデンに加え、J2の大分トリニータとも合意を目指していると明かした。実現すれば、ベルギー、日本、韓国を結ぶ三極構造のネットワークが形成される可能性がある。

日本企業が運営する欧州クラブとJリーグ勢、そして韓国クラブが結びつく構図は、アジアの人材循環モデルとしても興味深い。

日本と深い関係を築いてきたシント=トロイデンが、日本の隣国である韓国を加えることで、アジアと欧州を結ぶ独自の育成・移籍ネットワークをどこまで拡張できるのか、今後の動向が注目される。

筆者:江島耕太郎(編集部)

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