J1の水戸ホーリーホックは2月27日、茨城県那珂市の笠松運動公園にある水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園陸上競技場)を、2026-27シーズンの明治安田J1リーグにおけるホームスタジアムとして利用することが、茨城県から正式に承認されたと発表した。
これは、クラブが昨季J2で優勝し、史上初のJ1昇格を果たしたことを受けたもの。Jリーグの規定には「J1公式戦ホームゲームには15,000人以上収容のスタジアムが必要」という基準があり、現行のケーズデンキスタジアム水戸(約12,000人収容)では開催要件を満たせなかったことが背景にある(※例外適用により要件を充足)。
公式発表資料によると、承認にあたっては茨城県と一般財団法人茨城陸上競技協会、水戸ホーリーホックの三者間で覚書が締結され、一定の条件のもとでホームスタジアムとしての使用が認められた。
具体的には、他競技団体との日程調整や施設利用全般で円滑な運用を図ること、Jリーグ基準を満たすための改修費や管理費をクラブ側が負担すること、試合時の交通対策や駐車場確保にも責任を持つことなどが盛り込まれている。また、公式使用は2026年8月に開幕する新シーズンからを予定している。
水戸信用金庫スタジアムは、1974年に茨城県で開催された第29回国民体育大会に向けて建設された陸上競技場。22,002人を収容し、水戸ホーリーホックも2001年から2009年にかけてホームとして使用していた。2022年4月1日より水戸信用金庫がネーミングライツを取得している。
茨城県の大井川和彦知事は「水戸信用金庫スタジアムをホームスタジアムとして利用することについて、他の競技団体など関係者にもご理解いただき、本日このような発表ができたことを大変嬉しく感じております」とコメント。「今後、J1リーグでの戦いで成果を残し、県民に心から愛されるクラブチームとして、飛躍していただくことを期待します」と続け、地域全体でサポートする姿勢を明らかにした。
一方、株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホックの代表取締役社長、小島耕氏もコメントを発表。「このたび2026-27シーズンに向けて、水戸信用金庫スタジアムのホームスタジアム申請を承認いただき心より感謝申し上げます」と述べた上で、ケーズデンキスタジアム水戸の利用に協力した水戸市および関係者への謝意を表明した。
さらに、小島社長は「茨城県民の皆さまが誇れるサッカークラブとなるよう、そしてJ1の舞台で戦い続けられるよう、全力を尽くしてまいります」と決意を語っている。
今回の決定は、J1昇格クラブとしてのスタジアム基準克服という現実的な課題への対応であると同時に、地域スポーツ文化の発展やクラブのブランド価値向上につながる一大転機といえる県、クラブ、競技団体が協調した今回の合意は、単なる収容人数クリアの枠を超え、スタジアム施設を中心とした広域的スポーツ振興や地域活性化への足掛かりとなる可能性を秘めている。
今後は、Jリーグの承認手続きを経て正式な利用開始へ向けた準備が進む見込みであり、クラブとスタジアムの新たな歴史がここから始まることになる。
筆者:奥崎覚(編集部)
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