J2の栃木シティは3日、オーストリア2部のSWブレゲンツと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
クラブによると、この提携はスポーツ、経済、文化の各分野で相互交流を進め、両クラブの発展を目指すもの。選手や指導者、クラブ運営に関するノウハウ共有をはじめ、ユース育成、国際交流、マーケティング活動など幅広い分野で協力関係を構築していく。
1919年創設のSWブレゲンツは、オーストリア西部のブレゲンツを本拠地とする伝統クラブ。現在はオーストリア2部リーグ「2. Liga」に所属しており、過去には同国1部リーグやUEFAインタートトカップへの出場経験も持つ。
今回の提携に合わせ、日本理化グループがSWブレゲンツへ出資することも決定。さらに栃木シティフットボールクラブ代表取締役社長の大栗崇司氏が、同クラブのChairman&Sporting Director(会長兼スポーティングダイレクター)に就任する。
提携の柱となるのは国際的なスポーツ協力で、トップチームとアカデミーの双方を対象に交流を推進する。選手や指導者の育成支援、トレーニング参加、レンタル移籍など人的交流を進めるほか、国際親善試合や合同トレーニングキャンプの実施も視野に入れる。分析、フィジカル強化、ユース育成、戦術面など、多角的な知見の共有にも取り組む方針だ。
また、育成年代の連携も重要なテーマとなる。両クラブのアカデミー組織が協力し、若手選手に海外経験の機会を提供。コーチングワークショップや相互訪問、共同育成プログラムなどを通じて、国際的な視野を持つ人材育成を目指す。さらに共同マーケティングやスポンサー活動、日本とオーストリアの文化交流も進めていく。
大栗社長は今回の取り組みについて、「単なるクラブ間の業務提携ではなく、日本とヨーロッパのサッカー、そして地域と地域をつなぐ新たなプロジェクト」と位置付けた。栃木シティがこれまで掲げてきた「地域に根差し、地域とともに共創するクラブ」という理念をさらに発展させる一歩になるとし、欧州サッカーの最前線から得られる知見はトップチーム強化だけでなく、アカデミー育成や指導者育成、クラブ経営、地域創生にも大きな価値をもたらすとの見方を示した。
さらに、日本人選手にとって海外挑戦をより身近なものにし、新たな可能性を切り開く環境づくりにつながることにも期待を寄せた。
大栗社長は、今季J2へ初昇格したクラブのスローガンでもある『栃木から世界へ』を掲げ、「世界で得た経験を再び地域へ還元する循環を生み出したい」と強調。歴史と情熱を持つSWブレゲンツと互いの文化や価値観を尊重しながら成長し、欧州とアジアを結ぶ新たなネットワークを構築することで、競技面と事業面の双方でクラブ価値向上を目指していくという。
筆者:奥崎覚(編集部)
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