ワールドカップでまた一つ、サッカーの夢物語が現実となった。

イギリスの公共放送局『BBC』は現地時間15日、カーボベルデ代表DFロベルト・ロペスの異色の経歴を紹介した。

同日に行われたW杯グループH第1節で、人口約50万人の小国カーボベルデは優勝候補のスペインと0-0で引き分けた。スペインの猛攻を耐え抜き、初出場で優勝候補の強豪を苦しめて世界的な注目を集めた。

その堅守を支えた一人が、ダブリン生まれのロペスだ。

現在33歳の同選手は、かつてアイルランドで住宅ローンアドバイザーとして働きながらセミプロ選手としてプレーしていた。しかし、2017年にアイルランド1部のシャーロック・ローヴァーズとのプロ契約を勝ち取り、サッカー一本の道へ進んだ。

さらに驚きなのは、カーボベルデ代表入りのきっかけだった。父親がカーボベルデ出身だったロペスに対し、当時のルイ・アグアス監督がビジネス向けSNS「LinkedIn」を通じて代表招集の打診を送ったという。

LinkedInは主に就職活動やビジネス交流に利用されるSNSで、企業の採用担当者や求職者が利用することで知られる。ところがロペスは、ポルトガル語で届いたメッセージをスパムだと思い込み約9か月間放置。それでも再度連絡を受け、翻訳して内容を確認した結果、代表入りを快諾した。

2019年に代表デビューを果たしたロペスは、今やカーボベルデの主力選手としてW杯の舞台に立っている。銀行員からプロサッカー選手へ。そしてLinkedInから始まった代表キャリアは、スペイン相手の歴史的ドローによって世界中のサッカーファンに知られることになった。

小国カーボベルデの挑戦は始まったばかりだが、その物語はすでに今大会を象徴する感動的なエピソードの一つとなっている。

筆者:江島耕太郎(編集部)
画像提供:Getty Images

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