2030年のワールドカップは、スペイン、モロッコ、ポルトガルで共催される(一部試合は南米でも開催予定)。
スペインとモロッコの間には海峡があるが、スペインの自治領セウタはモロッコに隣接している。
1日、モロッコからセウタに大量の移民が不正入国し、大きな問題に発展した。
移民たちは、国境を示す桟橋を迂回して、コンクリートの堤防を滑り降りて海を泳いで入国。
『Al Jazeera』によれば、セウタに不正入国した移民は、およそ6万人。
そのうち、4万8千人は、48時間以内にモロッコへ帰国したものの、1000人以上が医療機関で手当てを受けることになり、少なくとも72人が溺死したという。
モロッコ最北の大都市タンジェの女子サッカーチームに所属していたファテンさんも亡くなった。
『BBC』によると、彼女はスペインへのビザ申請が繰り返し却下されていたが、亡くなったまさにその日にビザの承認通知が自宅に届いていたという。
代表経験もあったファテンさんは、海外でプロ選手になることを目指していたとも。
彼女の葬儀には多くのチームメイトやファン、クラブ関係者が参列した。
この悲劇は、失業や困窮によってより良い未来を求めて、命がけの渡航をせざるを得ないモロッコの若者たちが直面する現実を映し出すものと現地で指摘されている。
ファテンさんは、礼儀正しく、多くの人に愛される人柄だったそう。
『Asharq Al-Awsat』などは、亡くなったファテンさんの母が「若者たちには私のように親の心を打ち砕くようなことはしないでほしい。娘は逝ってしまい、私は一人ぼっちになってしまった。愛しい我が子、片時も私から離れたことのなかった子。どこへ行くにも一緒だった。娘の死で焼けつくような悲しみだけが残った」と悲嘆に暮れているとも伝えている。なお、彼女の年齢は24歳だったという話もある。
筆者:井上大輔(編集部)
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